






ヌール・ヌガリ、ラワン・ラドワン
ベイルート/ジッダ:サウジアラビアは、ベイルートの港の致命的な爆発事故の被災者たちを救う国際支援の先陣を切り、医療品や緊急物資120トンを2機の航空機に積んで破壊された都市へと搬送した。
2機は8月7日の午前にキング・ハリド国際空港を出発した。キング・サルマン人道支援救援センター(KRリリーフ)の専門家チームが随行し、現地で支援物資の配布を指揮する。
8月4日に港で発生した爆発を受け、世界各国からレバノン救済に駆けつけている。今回の爆発は150名もの死者を出し、負傷者は5000名、そして何千人もが住む家を奪われた。
2つの爆発がレバノン首都の広範囲を破壊し、穀物貯蔵のサイロや港湾施設を含む重要なインフラが壊滅した。
すでに経済崩壊や通貨の暴落に揺らいでいたレバノンは、今回の爆発でさらに食糧不足の危機や主要輸出品への打撃に見舞われている。
爆発はレバノンの人々を絶望に陥れ、ある男性は国際メディアに対して今週、「ベイルートは壊れた」と語った。
王国政府顧問でありKSリリーフ監督局長を務めるアブドゥラ・アル・ラビエ博士は、レバノンが爆発の影響を克服できるように支援すべく、緊急に医療および人道支援を提供せよとのサルマン国王の指示を受け、金曜日に緊急空輸が開始されたと述べた。
アル・ラビエ博士はこの指示について、「サウジ指導者の定評ある人道的価値観を具現するものであり、世界中の困窮する人々への人道支援提供における、サウジアラビアの中心的役割を改めて浮き彫りにするものです」と語った。
KSリリーフの投資・資源局長であるサメル・アル・ジェタイリ博士は、同機関は「レバノン国内にいる我々の兄弟たちを支援する活動を開始しました」とアラブニュースに語った。
航空機に貨物が積載されている方を指し示しながら彼は、「この活動は3つの分野に集中しており、貨物がレバノンへの空の架け橋となってこの先3、4日続くことになります」と述べた。
1つ目の分野は医療であり、爆発による負傷者や現在病院で治療を受けている人々に重点が置かれる。
2つ目は住む家を失くした人々のための避難所の提供であり、3つ目は、レバノンの人々の必要に応じて最大4日間の食糧確保を支援することだ。
「それと並行し、この貨物に随行するチームが迅速に現場を評価し、今回の悲しく悲劇的な出来事の影響を被った人々に対する綿密な支援プランを打ち出すことになります」とアル・ジェタイリ博士は述べた。
駐レバノンのサウジアラビア大使であるワリード・ブハリ氏とレバノン内務相のモハンメド・ファフミ氏は、ベイルート空港で支援物資の到着を出迎えた。
「これは我々の民族愛的かつ人道的な義務であり、これが我が国サウジアラビアのメッセージです」と大使は述べた。
#WATCH: Planes carrying tons of medicine, shelter kits and food items provided by #SaudiArabia land in #Lebanon following the #BeirutExplosion https://t.co/o0nCmKqyo6 pic.twitter.com/cZHiWl0qF9
— Arab News (@arabnews) August 7, 2020
「レバノンを襲った事故は、サルマン国王とモハンメド・ビン・サルマン王太子の指示による我々の注目に値するものです。我々のメッセージは、レバノンであれ世界のどの地域であれ、あらゆる人道的問題や困窮に対する支援を通して強化されるのです」
彼は次のように述べた。「専門家チームは最初の48時間休むことなく損壊状況や人々にとって必要なものを査定すべく取り組んでいます。
KSリリーフ傘下の機関や救急隊員たちは、事故後にいち早く現場に到着し、爆発の影響を被った人々の治療に取り組むレバノン医療スタッフの支援に当たりました」
サウジの援助と支援はレバノンの人々に大きな影響を与えたと特命大使は述べた。
特別委員会がレバノンの人々が必要としているものについての報告書を監督・検討することになると大使は述べた。
「レバノンの関連当局と協力して人々が必要としているニーズを査定した後に、レバノンには引き続き支援が送られることになります」と彼はアラブニュースに語った。
「その後、さらに査定結果が送られることになります。我々は、700トンの食料品や薬や備品、そして避難所を送ることを目指しています」
サウジアラビア大使館は、レバノンの人々への支援物資配送状況の追跡に努めている。
サウジアラビアとレバノンには長年にわたる関係性があると、レバノンのファフミ内相はアラブニュースに語った。
「我々は2つの国に跨るひとつの民族のように感じています。サウジアラビアとサルマン国王は、レバノンのことを一日たりとも忘れないでいてくれます」と彼は述べた。
ファフミ内務相は、レバノンの首都を襲った爆発を悲劇と表現しながらも、「我々は将来に起こるであろうことについては非常に楽観しています」と述べた。
アシュラフ・リーフィ元レバノン法相は、サウジアラビアとそのリーダーたちに、「レバノン国民を代表して」感謝したいと述べた。
「あなた方のあらゆる支援に対して、我々の子供たちや現在我々にとって必要なことをお世話してくださることに対して、感謝します」と彼は言った。
リーフィ氏はしかし、次のように述べた。「トンネルの向こうには光があります。レバノンは、最終的な解放に非常に近いところにいると断言します」
KSリリーフの取り組みを通して、2006年からレバノンでは2760万ドル以上に及ぶ30以上のプロジェクトが実行されてきた。プロジェクトは、食料安全保障、健康、野営施設の調整、保護、慈善支援などの分野に重点を置いている。
サウジアラビアは、レバノンの観光産業や経済成長に貢献するなどして歴史的にレバノンを大きく支援してきた。
2006年の戦争後、サウジアラビアは、4984トンの支援物資と犠牲者の治療のための野戦病院を寄付し、208の村を再建した。
レバノン再建のためのアラブおよび国際基金の中核となる5億ドルの助成金を含むレバノンに対する外国支援パッケージに続き、人道的医療支援が送られた。
サウジアラビアの住民は、KSリリーフのウェブサイトからレバノンを支援することが可能だ。これまでに一般市民からの寄付が120万ドル以上寄せられている。