フランク・カネ

ドバイ：COVID-19パンデミックへの対応が、世界の大都市が持つ強さと弾力性を明らかにした、とU20メイヤーズ・サミットの開会時に、リヤド市王立委員会のファハド・アル・ラシード委員長が市民の指導者たちに語った。

「私たちの都会の中心地が本来備わっている柔軟性、敏捷性、弾力性を実証することが最も必要なのはこの時だったのです。多くの都市がほぼ一晩で、ヴァーチャル世界に移行することができました。私たちは自分の都市、そして人類全体の強さと弾力性を本当に目の当たりにしました」と、アル・ラシード委員長は語った。

G20サミット組織の都市専門の分科会とも言えるU20のヴァーチャル形式の開会式で、同委員長は代表者たちを迎えていた。G20サミットは今年、サウジアラビアが議長国を務めることになっている。

都市は「多分、人類の偉大な発明でしょう」と、アル・ラシード委員長は述べたが、このパンデミックの襲来や、結果として生じたロックダウンが経済を傷つけていることから、長期的な影響が生じるであろうことを警告した。

「これは世界に、極めて劇的に影響を与えました。そして、勿論のことですが、私たちの生活様式を変えました。旅行の計画は奪い去られ、家族はばらばらになり、仕事に強烈な影響を受けた企業は姿を消し、心の健康は軋みが生じ、そして私たちは多くの愛すべき人々を失いました」

「全てが変わってしまいましたが、私たちの生産性は鈍化していません。実際、U20が示しているように、多くの点で、私たちは以前よりもかえってつながりを深めています。国家や大陸なら別としても、都市であるにもかかわらずです」と、アル・ラシード委員長は付け加えた。

旅行制限やソーシャルディスタンスが、もっと密ではない人口の地域に労働者が移り住むことにつながるので、都市の専門家たちの中には、このパンデミックの結果として、「都市の終焉」を予想した者もいる。

しかし、都市は繁栄し続けるだろう。なぜなら、「私たちは人と一緒にいるときにこそ、最良の仕事をし、最高の自己満足を得る社会的な生き物だからです」と、アル・ラシード委員長は述べた。

「都市は単なるコミュニティーよりも、はるかに多くのものを私たちに与えてくれます。都市はあらゆる種類のサービスのデリバリーに関して、結局デリバリー自体の値段が安くなる規模のコミュティーを、私たちに提供してくれます」

「都市は私たちが独自では負担しきれないレベルの医療システム、教育、エンターテインメント、公共交通サービスを私たちに与えてくれます」

「このパンデミックは私たちがソーシャルディスタンスを取り、日常的なルーティーンの多くを生産的にデジタル化することを強制する一方で、人間として私たちは、より良い生活様式を楽しんで、それを提供するために、物理的につながって、集まる必要があるのです」と、同委員長は述べた。

「都市の将来について疑問を呈するよりむしろ、政策立案者は、『現在のこのコロナと、未来の衝撃に適応可能な都市にするためには、どのように最善を尽くせば良いのか』ということを尋ねるべきです」

アル・ラシード委員長は、その答えは弾力性への投資だと述べた。「私たちの都市と市民の弾力性への投資の重要性は、この前例のない混乱から覚えておくべき大きな重要情報です」

国際連合の都市に関する機関、ハビタットのマイムナ・シャリフ代表は、「都市、とりわけ人口密度の高い地域の弱い立場にあるほとんどの人々に、このパンデミックが圧倒的に影響を複合的に及ぼすのではないかと極めて懸念している」と述べた。

しかし、シャリフ代表は世界の人口の半分以上が、世界の国内総生産のほぼ80パーセントを占める都市で暮らしている、とシャリフ代表は指摘した。「都市は経済成長の原動力であり、多様性の受け入れやイノベーションの触媒としての機能を果たしています」と、シャリフ代表は述べた。

国際連合の都市に関する機関、ハビタットのマイムナ・シャリフ代表がサミットで演説する。（提供）

「私たちはごみを減らし、あらゆる人々が依存してるエコシステムを守りながら、世界で男女数の均等を作り出し、急速に成長し、高齢化し、文化的に多様な世界の都市に住む人々に、繁栄と幸福を提供する必要があります。都市化が持続可能でなければ、持続可能な発展はありません」と、同代表は付け加えた。

10月2日、37都市の指導者が署名した共同声明を発表して、U20はクライマックスを迎えた。これは最終の共同声明の要素として検討するために、G20首脳に提出される。