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福島第一原発の処理水放出が迫る中、中国の日本食レストランは経営破綻を懸念

2023年7月25日、中国・北京でロイター通信のインタビューに応じ、中国国内で調達したウニを使った寿司を作る日本料理レストラン「東也」オーナーの谷岡一幸氏。(ロイター通信)
2023年7月25日、中国・北京でロイター通信のインタビューに応じ、中国国内で調達したウニを使った寿司を作る日本料理レストラン「東也」オーナーの谷岡一幸氏。(ロイター通信)
2023年7月25日、中国・北京でロイター通信のインタビューに応じ、中国国内で調達した鯛を調理する谷岡一幸氏。(ロイター通信)
2023年7月25日、中国・北京でロイター通信のインタビューに応じ、中国国内で調達した鯛を調理する谷岡一幸氏。(ロイター通信)
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01 Aug 2023 03:08:44 GMT9
01 Aug 2023 03:08:44 GMT9

北京:中国が放射性物質への懸念を理由に日本からの輸入食品に対する検査を強化してから3週間あまり経ったが、谷岡一幸氏はすでに北京で経営する高級寿司レストランの将来に不安を抱いている。

谷岡氏が経営する創業8年の日本料理レストラン「東也」は、中国の他のほとんどのレストランと同様、何年も新型コロナウイルス感染症による規制に苦しんできた。規制は昨年末に緩和され始めたばかりだ。

現在、被災した福島第一原発から放射性物質を含んだ処理水を海洋放出するという日本の計画を前に、谷岡氏のレストランは顧客と魚介類の両方の不足に直面している。

「続けていけるかとても不安です」と熊本県出身の49歳のオーナーシェフ、谷岡氏は語った。「食材を輸入できないことは、私たちにとってまさに死活問題です」

中国は日本の水産物の最大の輸入国である。2011年の東日本大震災で福島第一原発が津波と地震による被害を受けた直後、中国政府は日本の5県からの食品・農産物輸入を禁止した。中国はその後、対象範囲を拡大し、現在は日本の全国47都道府県のうち10都県からの輸入が禁止されている。

それでも中国は日本にとって水産物の最大の輸出相手国である。

最新の輸入制限は今月、国連傘下の核監視機関である国際原子力機関(IAEA)が日本の処理水海洋放出計画を承認したことを受けて課された。中国はこの動きを厳しく批判しており、処理水の海洋放出は海洋生物と人間の健康を危険にさらすとして国内でも反対に直面している。

それ以来、日本からの輸出はほぼ停止しており、一部の日本当局者は今後最悪の事態が訪れるのではないかと懸念している。中国の検査がより厳しくなったことで税関では大幅な遅れが生じ、執拗な警告が顧客を遠ざけている。中国のソーシャルメディアでは、日本食品には放射性物質が含まれており、ボイコットすべきだという投稿やハッシュタグが蔓延している。

「中国は汚染水だと主張しているが、日本は浄化された水だと主張しています」と北京の別の日本食レストラン経営者、コバヤシケンジ氏(67)は語った。同氏は今月、顧客の3分の1を失ったという。

「両国の視点の違いは大きく、理解度に影響します」

仕入れ先の変更

水産物業者も苦戦している。

大手水産物業者の広報担当者は、中国の税関での待ち時間が2~7日から約3週間に延びていると明らかにし、同社は出荷先を第三国に迂回させることでこうした規制を回避する計画だとも語った。この広報担当者は中国当局の反発を恐れ、企業名を明らかにしなかった。

「現在、当社では中国への出荷は一切ありません」と、北日本に本社を置く水産物卸売会社、青森中央水産の取締役営業本部長の福岡有氏は語った。

「商品が税関で止められた場合、一時集積所や保管庫の使用料に多額の費用がかかることになります。その状況は避けたいと思っています」

日本当局は中国側、特に輸出先第2位の香港に対し、日本からの輸入の禁止を回避するよう訴えているが、中国人のレストラン顧客数人はより厳格な検査に賛成すると述べた。北京の日本料理レストランの常連客、ドゥアン氏は「どの政府も国民の安全に責任を負うべきです」と語った。「政府のこの政策のおかげで私たちは安心できます」

日本は数週間以内に福島第一原発の処理水を排水し始める予定で、一部の日本人レストラン経営者は、生き残るためにメニューを変更し、他国から食材を調達していると語った。

「私たちが重点的に取り組んでいることは、中国国内で水産物を調達するか、他の外国の供給業者から調達することです」と谷岡氏は語った。「これらの取り組みが成功すれば、今後も事業を継続できる可能性があります」

ロイター

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