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サウジアラビア、教育の緊急事態に「いち早く対応した国」とされる

生徒たちがリモート学習に入ってから現在2学期目となる。この方法での学習を続ける決定は、新型コロナウイルス感染拡大防止と生徒たちの健康確保を目的としている。(AFP)
生徒たちがリモート学習に入ってから現在2学期目となる。この方法での学習を続ける決定は、新型コロナウイルス感染拡大防止と生徒たちの健康確保を目的としている。(AFP)
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07 Dec 2020 06:12:22 GMT9
07 Dec 2020 06:12:22 GMT9
  • 教育専門家のエルティナン・アル・クラーシ博士が、パンデミック中のオンライン学習を促進したサウジの取り組みを称賛する

タレク・アル・サカフィ

メッカ:リモート学習はパンデミック後も続行するとの教育相の土曜夜の発表から、サウジは今後もこの課題に取り組み、成功を維持させていく意向であることがわかった。

ハマド・アル・シェイフ博士は、Eラーニングやリモート学習は教育システムにおける重要な方法であると述べ、教育省と教育訓練評価委員会は、生徒にも教師にもより良い結果を生むべく複数の分野で密接に協力していると付け加えた。

生徒たちがリモート学習に入ってから現在2学期目となる。リモート学習は、当初は新型コロナウイルス感染拡大防止と生徒たちの健康確保を目的として導入されたが、前学期の結果が有望なものであったことから、8月末に続行が決定した。

米国のテンプル大学デジタル遠隔学習開発部長のエムティナン・アル・クラーシ博士は、サウジアラビアは世界でいち早く教育面の緊急事態に対応した国のひとつであり、その努力は素晴らしいと述べた。

アル・クラーシ博士は、米教育通信技術協会の最優秀研究賞を獲得しており、サウジの教育機関は新型コロナ危機の発生当初から、生徒たちに教育を続けさせるべく多大な努力を払ってきたと述べた。

「私の考えとしては、最も困難な課題は、この新たな教育環境に向けての資格を有した職員が不足していることです。

この環境に必要な技術やツールであれば取得も始動も比較的早く整いますが、この変革に向けての資格を教職員に付けさせるのは、直ぐにできるものではありません。リモート学習の電子設備を設置するには、通常長い時間がかかります。リモート教材を作るにも何カ月もかかります」と彼女は述べた。

テクノロジーを駆使した緊急教育は、成功したことで今や生活様式となりつつあり、多くの人々が現在、この新たな学習スタイルを促進すべく力を合わせて能力の開発や向上に取り組んでいる。

アル・クラーシ博士は、Eラーニングを効果的に行うためはいくつかの項目を考慮する必要があると示唆した。インターネットや電子端末が全員に用意されること、障害のある生徒や学習困難な生徒たちを支援すること、心理社会学的支援が施されることなど。

特別の教職員集団を訓練し、資格を取得させるべきであるとアル・クラーシ博士は付け加えた。テクノロジー面だけでなく、カリキュラムを計画し、より良い結果を導く方法でそれを適用させなければならないという意味でも、リモート学習は新たな教育環境であるという点を彼女は強調した。

リモート学習の成功に関する非常に重要な要因は、この異なる環境に生徒を適応させることだと彼女は示唆する。職員たちは、生徒たちが教育テクノロジーに適応して使いこなし、新たな習慣を身に着けるのを助けることができるのでなければならない。

「これらの要素をすべて実行したとして、教育プロセスの成功は、2つの方法で判断することができます。1つ目は、教材のデザインと適用の評価を通して。2つ目は、生徒たちの体験と学習成果を評価することを通してです」

新型コロナ危機発生当初から、サウジの教育機関は、生徒たちが教育を受け続けるために多大な努力を払ってきた。

テンプル大学の遠隔学習専門家、エムティナン・アル・クラーシ博士

実験が成功しているかどうかは、研究に基づいた評価の実践や方法を教育施設ごとに適用しなければ判断できないと、アル・クラーシ博士は説明した。

2019年に発表された彼女の研究結果によれば、大学レベルの学生では、「学習者とコンテンツとの相互作用」が生徒たちの満足度の最も強力で重要な指標であり、次に「学習者と教師の相互作用」であることが示された。学習をしているという感覚の最も強力で重要な指標は、「リモート学習の自己効力感」であり、次いで「学習者とコンテンツとの相互作用」となった。この研究に基づき、アル・クラーシ博士は教師や職員に対して、生徒たちのリモート学習の自己効力感を高める戦略や、リモート学習体験を高める他の2つのパラメーターの活用を期待している。

これまでの研究によれば、必要なスキルを取得して適用させる資格を持った教職員の存在で、リモート学習を効果的に行うことが可能になるとアル・クラーシ博士は述べた。Eラーニングは物理的に出席して行う学習と組み合わせることも可能であり、いずれかの形態が他方に比べて優れているという結果はでていない。

アル・クラーシ博士は次のように締めくくった。「今やEラーニングは、教育プロセスの重要な役割を果たすようになってきました。これらのデジタル学習環境を設計・指導するための実証に基づいた実践や基準が適用されれば、物理的に出席して受ける教育に匹敵する成果を得ることも可能です。従って、すべての教育機関にEラーニングの専門家を置くことが、うまく発展させていくために今や必須となっています」

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