ルバ・オバイド
リヤド:サルマン国王人道援助救援センター(KSrelief)の監督官、アブドラ・アル・ラビーア博士は29日夜、イエメンの女児を寄生性双生児から分離する手術が成功裏に終わったと発表した。
手術後、初めて娘のアイシャに面会した両親はその瞬間、大きな喜びに包まれた。
「手術は首尾よく進みました」とアル・ラビーア博士がアラブニュースに語った。「チーム内の調整も良くできました」
アル・ラビーア博士によると、8段階にのぼる大手術は9時間はかかると見込まれていたが、実際には予定時間より45分短い時間で終了した。幼児は手術が終るとじきに目を覚ました。
博士は、両親にお祝いを述べ、子供が快復した後、両親が健康になった子供と共にイエメンへの幸せな帰路につくことを願った。
「アイシャは目を開けています」と博士が語った。「手術室の出口で、母親に反応さえ示したんですよ。これは我々には画期的なことです」
サウジの医療チームは更に幼児の気道から人工呼吸器とチューブを取り外すことにも成功し、これもまたチームにとっては画期的な出来事となった。
1990年に結合双生児を分離するためのサウジアラビア国家プログラムが創設されて以来、これはサウジアラビアで施行された50例目の双生児分離手術となる。
「50回目の成功を祝うことができて、大変幸せです。これからも助けを必要とする人たちを援助していく所存です」とアル・ラビーア博士が続けた。
分離手術は29日朝、リヤドのキングアブドゥルアジズメディカルシティにあるキングアブドラ専門小児病院で始まった。医師、技術者、看護師からなる25人の専門家チームが手術に参加した。
病院の小児外科医長、ムハンマド・アル・ナムシャン博士は、手術には困難な局面があったが、女児にはそれを乗り越える体力があった、と語った。
「チームには経験もあり、困難な局面も専門的に対処しました。これからアイシャが、手術の影響も余りなく、幸せでごく普通な生活を送ることを願います」と同博士がアラブニュースに語った。
アル・ラビーア博士は手術前に、成功率は80パーセント強であると述べた。
「困難な局面は確かにありました。手術箇所には今後、形成外科的処置も必要になりますが、医療チームの30年以上にわたる経験をもってすれば、困難は乗り越えることができます」
博士の説明によると、寄生性双生児は特殊な種類の結合双生児であり、アイシャは完全に発達した状態だったが、拡張した骨盤領域と2本の余剰下肢を持って生まれた。
「アイシャがこれからも強く育ち、神のご加護により力と健康に恵まれることを祈っています」とアイシャの母親、ファティマ・アキール氏がアラブニュースに語った。「私たちは、サルマン国王、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子、アル・ラビーア博士とチームのご努力に大変感謝をしています」
父親のアフマド・モヒムード氏は、「心配はしていません。アル・ラビーア博士が命にかかわる手術ではないと念を押してくれました。サウジアラビアに来ることができ、大変幸せに思い、手術にも楽観的でいます。アイシャが無事に手術室から出てきたら、私たちは本当に幸せになります」
アイシャの両親は、病院の会議室でライブストリームを通して手術を見守り、手術中は常に娘の状態に関する情報を受け取っていた。
結合双生児はケースごとに異なり、それぞれのケースは単独に精査される、とアル・ラビーア博士が語った。
「手術後は、2,3日アイシャの状態を観察し、それからリハビリを始めます。多分8週間から10週間かかります」と同博士が述べた。