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サウジアラビア、人間開発に関して世界36位にランクされる

Adam Bouloukos、UNDPサウジアラビア在住者代表(提供写真)
Adam Bouloukos、UNDPサウジアラビア在住者代表(提供写真)
14 Dec 2019 02:12:02 GMT9
  • UNDP(国際連合開発計画)は、経済成長の枠を超えた世界各国の発展を測定するための報告書を毎年作成している。
  • UNDPサウジアラビア特使は、同王国のランキングが上昇していると感じる。この国の変化を感じとっているからだ。

 

Noor Nugali、リヤド

サウジアラビアは、世界各地の不平等の進展調査をおこなう国際連合開発計画(UNDP)から世界36位にランクされた。

2019年度の人間開発報告書は、「新世代の不平等は、依然としてビジネスでは解決されないだろう」と警告している。

報告書の結果は、貧困、飢え、病気に関しては大きな進展が見られたものの、多くの社会は依然として正しく機能していないことを示している。

新世代の不平等は、結果的に教育、技術、気候変化から生じており、対策が取られていないことから、約2世紀前の産業革命以来の「新しい大きな相違」が社会に生まれかねない、と報告書の作成者は結論付けている。

国連は、経済成長の枠を超えた世界各国の発展を測定するため、報告書を毎年作成している。今年度の報告書のタイトルは「収入、平均、現在の枠を超えて:21世紀の人間開発における不平等」であった。

問題点に取り組むため、報告書は不平等を分析するだけでなく、様々な方針を提案している。

国連は、人間開発インデックス(HDI)においてサウジアラビアを189の国および地域の中で36位にランク付けしたが、これはかなり上位だと考えられるだろう。

UNDPサウジアラビア在住者代表であるAdam Bouloukos氏は、世界指導者が集う2020年度のG20 サミット主催国として準備を整えている王国は「現在、特殊な時間を過ごしている」と述べている。

G20 の議長職を引き継いだ同氏は、王国はリヤドで11月に開催されたG20準備会議の時から既に「輝いていた」と述べた。

Bouloukos氏は、国連報告書は異なる角度から不平等を見ようとしていると述べた。

同氏は、紛争、戦争、そしてテロ事件がサウジアラビアの経済成長に多大な影響を及ぼし、同国は絶え間ない混乱の中、長期にわたり発展上の問題を経験したと述べた。

そして、サウジアラビアはG20 会議で議論された数々の課題に取り組むため、世界を手助けする重要な役割を担っていると付け加えた。

サウジアラビアがこれまでHID(人間開発インデックス)において上位にランクされなかった理由のひとつは、多くの課題が山積していたからだ。しかしBouloukos氏は、王国は変化しているのだが、報告書との間にタイムラグがあるため、変化が完全に認識されるのは来年になるだろうと指摘している。

報告書は世界レベルでまとめられているが、各データおよび発見事項は地区レベルで確認できるため、世界各地の不公平の概要を理解することができる。

報告書のインデックス測定結果からも分かるように、この20年でアラブ諸国地域の人間開発は大いに発展を遂げた。しかし、HIDおよび関連リストの2019年度IHDI(不平等を加味した人間開発インデックス)によると、同地区の発展は教育、健康、生活水準の不平等な分布によって阻害され、不平等を加味すると人間開発における価値の最高24パーセントが失われていた。

数字からは、男女不平等と紛争による不安定な情勢も依然としてこの地区に残っていることが分かる。

発展を妨げると考えられる「新世代」の不平等に関する報告書の記述としては、例えば人間開発が高度に進んだ国ではそうでない国に比べ、固定ブロードバンド契約が15倍の速さで増え、第三次教育を受けた成人割合は6倍の速さで増えていた、等があった。

HDIの記録によると、アラブ諸国地域における人間開発には、男女間で14パーセントの差が見られた。また、世界全体では非農業職における女性の割合は39パーセントだったが、この地区ではわずか16パーセントだった。女性の労働参加も世界数値との差が最も激しく、女性の銀行サービス利用も最低レベルだった。

紛争や危機に対する不安定な情勢も、この地区の人間開発の発展を妨げた。新データによると、シリアでは2010年以来HDI値が15パーセント低下し、リビアでも同時期に10パーセント低下した。イエメンでは2014年以来、評価値が8パーセント低下した。UNDPイエメンの委託調査まとめによると、イエメンで進行中の紛争により、同国の人間開発は21年逆戻りした。

国連報告書は、幼い子供への教育、健康、栄養に関する労働市場前投資などを含め、出生前から始まる寿命介入による収入への影響を考慮しつつ、それを超越するさまざまな方針を提案している。同報告書は、このような投資を労働年齢から退職、老後に至るまで、各個人の人生を通して継続すべきだと述べている。

報告書は更に、課税は分離して行うのではなく、公共の保険、教育、そして炭素集中型に代わるライフスタイルの実現まで含めた方針システムの一部として行うべきだと主張している。

同調査はまた、平均値はその社会の人々にとって本当に大切な力学を覆い隠してしまうと述べている。平均値は大きな流れを伝えるには役立つが、不平等という課題に有効な方針を作成するにはより詳細な情報が必要である。

報告書は、現代の先の未来において、特に気候変化と技術改革という2つの側面から、不平等をどのように変えていけるかを問いかけている。この2つの側面がセットとなり、来世紀における人間開発の成果を形作るものと思われる。

この地区にはまた、環境持続に関する課題が残されている。再生可能エネルギー消費における世界最低率を記録しているからだ。

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