
アラブニュース
ロンドン:駐米サウジアラビア大使であるリーマ・ビント・バンダル王女は2日、ウクライナ戦争に関するサウジアラビアの立場と、占領地を併合しようとするロシアを非難する旨のファクトシートを改めて発表した。
リーマ・ビント・バンダル王女のファクトシートは、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子がウォロディミル・ゼレンスキー大統領との電話会談での、ロシア支配地域における併合に関する住民投票にサウジアラビアが反対であることについての話し合いを受けて発表されたものである。
ファクトシートは「10月14日のゼレンスキー大統領との電話会談で、皇太子殿下は、国連憲章および国際法に深く根ざした原則へのコミットメントから、併合を非難する決議への投票が生まれたことを強調された」としている。
さらに、サウジアラビアは「国家主権の尊重と善隣友好の原則、そして平和的手段による紛争解決に尽力している」とファクトシートは付け加えた。
国連総会は10月12日、先月末に行われたいわゆる住民投票を受け、ロシアが主張するウクライナの4州併合を承認しないよう各国に呼びかける決議を賛成多数で可決した。この決議は、ロシアに「違法な併合の試み」を撤回するよう要請している。
サウジアラビアはまた、ロシアのウクライナに対する侵略を非難し、ロシアが直ちに武力行使を停止し、「国際法、国連憲章、ウクライナを含む国家の主権と領土の保全を支持する道徳的立場に沿って」3月2日にウクライナ領土からすべての軍隊を撤退させることを要請する国連決議案を支持して投票した。
また、皇太子はウクライナに対して追加で4億ドルの人道的総合援助計画を発表した。
また、ファクトシートでは、皇太子の調停努力により、米国人2名を含む5カ国10名の捕虜が解放されたことも強調されている。
「ウクライナ大統領は、殿下が危機の解決を目指した調停活動を継続する用意があることに感謝の意を示し、サウジアラビアの確固たる姿勢と人道的取り組みに謝意を表明した」ともファクトシートは伝えている。
また、ファクトシートは、サウジアラビアがウクライナからの訪問者のビザを延長し、観光客や居住者がサウジアラビアに滞在できるようにしたこと、さらにサウジアラビアがサルマン国王人道援助救援センター(KSRelief)を通じて人道支援活動を行い、ポーランドにいるウクライナ難民に1,000万ドル相当の援助を提供したことを明らかにした。
ファクトシートは、皇太子が「ゼレンスキー大統領とプーチン大統領との電話会談で、危機を緩和するための取り組みへのサウジアラビアの支持を確認した」としている。
さらに、皇太子はサウジアラビアの「紛争当事者間の調停への前向きな姿勢を示しており、サウジアラビアはこの危機の政治的解決を見出すためのあらゆる国際努力を強力に支持する」と表明したという。