
キャスパー・ウェッブ
マラケシュ:国連世界観光機関(UNWTO)の第177回執行理事会は、新型コロナウイルスのパンデミック後に「観光の再設計」を行うとするサウジアラビア推進の決議を採択した。
新たに理事会の議長国に選出されたサウジアラビアは、世界の観光産業の大きな変革を監督、指導するために、サウジアラビア、スペイン、UNWTOによる共同ワーキンググループの創設を働きかけ、それを成就させた。
この提案は、2021年12月からサウジが促していたもの。今年6月にジェッダで開催された第116回執行理事会の際、サウジのホスト役の代表団が、ワーキンググループの創設を改めて支持すると表明していた。
アラブニュースも参加して今週、マラケシュで行われた3日間の会合では、ワーキンググループの創設を推進する決議が採択された。ワーキンググループについては、スペインも提案当初から支持を表明していた。
このワーキンググループは、当該決議に従って8ヵ国の執行理事会メンバーで構成され、来年春にも発足する予定だが、なおUNWTO代表の正式な承認が必要だ。
8ヵ国のメンバーは、サウジアラビア、モロッコ、UNWTOの3つのワーキンググループ共同議長国・機関とともに、世界のツーリズムを変革する構想を推進していくことになる。
会合では、出席した執行理事会メンバー36ヵ国のうち、31カ国がこの決議を承認した。ワーキンググループは、世界のあらゆる地域を代表することを目的としており、アフリカとアメリカの2つのメンバー国と、ヨーロッパ、中東、極東・太平洋地域、南アジアの観光の発展を促進する各メンバー国がグループ構成国として含まれる予定。
創設後、ワーキンググループは少なくとも年2回開催され、執行理事会のメンバー国から自主的に割り当てられた予算で運営される。
この動きは、世界最高峰の観光組織であるUNWTO内の大幅な改革につながると期待されている。サウジもUNWTOの「活性化」と「運営方法の改善」を求めている。
今回の決議は、投資と観光の分野におけるサウジアラビアとUNWTO本部があるスペインの関係強化を背景に、両国が数ヵ月にわたって、各執行理事国からの支持を集めるために行った作業の成果だ。
サウジのアフメド・アル・カティーブ観光相は、ワーキンググループは、UNWTOを「これまで以上に包括的かつ強靭で、より持続可能な組織にする」ことを目的としていると説明した。
この決議の採択により、サウジアラビアは執行理事会議長国として、最初の大きな一歩を踏み出すことになった。
アル・カティーブ観光相は、25日、マラケシュで前議長国であるコートジボワールからの引継ぎに立ち会った。
サウジアラビアとスペインの貿易額は年間35億ドルにのぼる。両国は、年間を通じた経済関係の強化に向けて大きな一歩を踏み出しており、ジェッダでのUNWTO会合の前に開かれた今年6月のサウジアラビア・スペイン投資フォーラムでも、数多くの注目すべき合意が成立している。
マラケシュでの会合には、サウジのJeddah Central Development Co.やスペインのInnovaris SL、Eturia CLMなど、サウジとスペインの関連企業も参加した。