
ラシド・ハッサン
リヤド:サウジアラビアと中華人民共和国は1990年に正式な外交関係を結んで以来、両国の文化的なつながりは、相互尊重に基づく強固な関係として開花してきた。
この深い友情の絆に感謝し、今年2月、リヤド市の象徴であるブルバードで、エンターテインメント・フェスティバル「リヤド・シーズン」の一環として、中国の旧正月が祝われた。
華やかな雰囲気の中、在サウジアラビア中国大使の陳偉清氏、大使館関係者、多くの来場者が参加した。
ブルバード地区では、複数の形でお祝いが行われた。
真夜中にはすべてのスクリーンが赤く照らされ、伝統的な家屋や赤い提灯など美しい中国文化の映像が映し出され、中国語、アラビア語、英語で書かれた祝辞が表示された。
その際、陳偉清氏はアラブニュースに次のように語った。
「『春節』は中国の人々にとって最も重要な伝統的なお祭りです。リヤド市のブルバードでは中国の象徴である赤色が灯され、世界中の中国の人々にサウジアラビアの友人たちからの心のこもった挨拶と祝福を感じさせてくれます」
同氏は次のように付け加えた。「旧正月を迎えることは大変名誉なことであり、この新しい年に、さまざまな分野で二国間関係と友好を深めることを望みます。
これは、二国間関係における新しい文化的な時代の始まりです。私たちは多くの共通原則を持ち、現在では文化的な結びつきが非常に強いので、将来的には中国とサウジアラビアは最も密接なパートナーの1つになると思います」
文化的な絆をさらに深めるため、先週土曜日、サウジアラビアの都市アル・ウラーで行われた『Nine Songs』のワールドプレミアは、野外会場ワジ・アル・ファンのすべての席が埋まるほどの熱気に包まれた。
中国の音楽家、声楽家、芸術監督であるRui Fu氏がアル・ウラーのために特別に制作した『Nine Songs』は、世界各国から集まった一流の演奏家たちによるアンサンブルだ。
Fu氏の歌声に、バイオリン、ハープ、ダルシマー、ウード、グーチン、太鼓の新曲が合わさり、衣装、風景、照明が演劇的な演出を添えている。
Fu氏の新曲は、紀元前1世紀の中国の古代詩集『楚辞』にインスピレーションを受けながら、アル・ウラーの見事な地質構造にも対応している。
今年6月、リヤドのキング・ファハド国立図書館は、中国国立図書館から寄贈された中国の書籍をコレクションに加えた。
書籍は歴史、経済、観光、文化などを網羅しておりアラビア語と英語で配本されている。中国語の文献や子供向けのものもあり、サウジアラビア人が中国や中国文化に親しむ機会にもなっている。
キング・ファハド国立図書館の事務局長であるマンスール・ビン・アブドゥラー・アル・ザーミル博士は、次のように述べた。
「私たちは、中国国立図書館との文化分野での協力関係を強化することを重要視しています」
今年7月には、世界最大級のエネルギー・化学企業である中国のシノペック社が、中国文化に関する書籍2,000冊をキング・ファハド国立図書館に寄贈した。
中国大使をはじめとする両国の高官が出席し、図書館の中国語図書コーナーの落成式が行われた。
このコーナーは、「サウジアラビア国民に中国の窓口を提供し、学生、受益者、卒業生に参考図書を提供し、サウジアラビアでの中国語教育の支援を図る」というミッションの一環として、シノペック社が設立したものである。
重要な点は、サウジアラビアが2019年2月のムハンマド・ビン・サルマン皇太子の訪中に際し、中国との文化協力賞を発表したことだ。
サウジアラビアの文化大臣であるバドル・ビン・アブドラ・ビン・ファルハン王子は、「サウジアラビア王国と中華人民共和国の文化協力に対するムハンマド・ビン・サルマン皇太子賞」を発表した。
この発表は、バドル王子が北京大学のキング・アブドルアジーズ公共図書館を訪問した際になされたものである。
この図書館は、2017年にサルマン国王が中国を公式訪問した際に落成式が行われ、その際、国王には名誉博士号の授与も行われた。
この文化賞は、サウジアラビアと中国の優れた学者、言語学者、革新者を称えるものである。
アラビア語による科学的研究、芸術的創作活動、アラビア語から中国語への翻訳、および中国語からアラビア語への翻訳の各部門が対象となる。
さらに、その年のパーソナリティ賞や文化界で最も影響力のある人物賞も設けられている。
これらの賞は、サウジアラビアの「ビジョン2030」と中国の「一帯一路」イニシアチブの共通の目的の一部をなすものだ。
「ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の名の下でのこのパートナーシップは、両国の文化の架け橋となり、文化交流を発展させ、両国の国民のための芸術と学術の機会を強化するための共同のコミットメントを具現化するものです」と大臣は語った。
皇太子の2019年の外遊中、サウジアラビアと中国は、中国語をサウジアラビアの学校や大学のカリキュラムの一部として取り入れることで合意した。
この合意は、北京で行われた皇太子と中国のハイレベル代表団との会談で、二国間の友好と文化協力の強化を目指して行われたものだ。
中国語の導入は、サウジアラビアの学生たちの文化的多様性を高めることを目的としている。
様々な教育レベルの学生に新たな学問の領域を開く重要なステップであり、両国の架け橋となり、貿易と文化の絆を促進することだろう。
さらに、今年4月にはキング・アブドルアジーズ公共図書館が、両国の文化協力の一環として、中国のバイトルヒクマ・グループと基本合意書を取り交わした。
この基本合意書には、共同翻訳や出版、相互訪問、学術会議や専門展示会の開催などが含まれている。
バドル王子は2021年4月に中国大使とバーチャル形式で会談を行い、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子賞やサウジアラビア・中国文化年イニシアチブなど、サウジアラビアと中国の文化交流を強化する方法について協議した。