
リヤド:リヤド国際人道フォーラムは、人道支援における資金ギャップを最小限に抑え、科学やイノベーションを駆使した迅速な対応とコーディネーションを行うことを勧告し、幕を閉じた。
第3回となるこのフォーラムは、国連および国連の人道支援組織の協力のもと、サルマン国王人道援助救援センター(KSrelief)が主催し、開催された。
2023年2月20日月曜、21日火曜の2日間にわたり、サウジアラビアの首都リヤドで開催され、諸外国のリーダー、援助資金提供者、研究者、援助団体など数百名が出席した。
フォーラムでは、外務大臣ファイサル・ビン・ファルハーン・アール・サウード王子、アーデル・アル・ジュベイル外交担当国務大臣、ファハド・ビン・アブドルラフマン・アル・ジャラジェル保健大臣などのサウジアラビアの政府高官や、国連人道問題担当マーティン・グリフィス氏、国連難民高等弁務官フィリッポ・グランディ氏、危機管理担当欧州委員ヤネス・レナルチッチ氏、OCHA人道支援金担当ディレクターリサ・ドーテン氏、WHO環境局長マリア・ネイラ氏、国連人間居住計画事務局長マイムナ・モッド・シャリフ氏などの国連、EUの高官らが講演を行った。
会議は、援助アクター間の対話とコミュニケーションを強化し人道的活動に役立つテクノロジーとデジタルトランスフォーメーションを採用するなど、対応を合理化するための革新的なソリューションを創出することを目的として行われた。
KSrelief統括責任者アブドゥラー・アル・ラビーア博士はフォーラムの傍らアラブニュースの単独取材に応じ、会議の主要な成果の1つは、援助のニーズと提供資金との間の「ギャップの拡大」を最小限に抑えること、また、増加する自然災害や人為的災害への積極的な対応などについて、徹底的な議論がなされたことだとし、次のように述べた。
「紛争や災害、地震などが増加する中、対応の改善と迅速化が求められる。特に緊急対応の場面での調整が課題として残っている。今まで以上に連携のとれた対応を行うにはどうすればよいか、これも議論が続けられている分野である。」
「議論された中で最も重要な課題は、データ収集や優先順位付け、コーディネーションにおいて、研究や科学、デジタル化、人工知能をいかに活用するかということである。これまでも実に何度も話し合われてきた課題だ。」
フォーラムの終わりに、参加者らは、パートナーシップ、アセスメント、予期的人道行動の分野においてより結集した取り組みを促進する一連の勧告の採択、また、人道、開発、平和の連携を通じた国連の持続可能な開発目標の達成に合意した。
主要な推奨行動の中には「革新的な技術、研究と証拠に基づいたアプローチ、データ収集メカニズム、ビッグデータ解析」を活用した人道支援のニーズ評価、介入のモニタリングが含まれた。
人道支援対応に役立つAIなどの最新のテクノロジーを活用することは、人道支援活動の新しい領域であり、リヤド人道フォーラムはその必要性に焦点を当てた最初の国際会議の1つとなった。
中東の政治アナリスト兼メディア専門家のマリタ・カシス氏は会議の傍ら、アラブニュースの取材に応じ「人道支援の必要性と適切なデータを活用した合理的プロセスを持つことの緊急性が、最も重要になってきている。これはKSreliefが2日間のわたり開催した人道フォーラムで明確に述べられており、将来の行動計画の推奨事項に含まれている。」と語った。
「AIは未来であり、今日、各国の政府や世界の指導者らがAIを多くの分野に取り入れようとするなど、世界を席巻している。」
「戦争や自然災害の狭間で対処すべき大惨事が止まることなく発生している。これらの人道的活動を合理化する上でAIが重要な役割を担い、人道支援のニーズ、提供、透明性を並べあげる調整プロセスを効率的に取り入れることができる。」とカシス氏は述べた。