

ジェッダ:5月18日、シリアのバッシャール・アサド大統領はアラブ連盟首脳会議に出席するため、ジェッダに到着した。アサド氏のサウジアラビア訪問は、2011年にシリア内戦が勃発して以来初となる。
アサド氏が19日の首脳会議に出席することは、12年間の孤立を経てシリアがアラブ世界に復帰することをあらためて印象づける意味を持つ。10年以上続いた緊張の後に、シリアと周辺諸国の関係は新たな時代を迎える。
22か国で構成されるアラブ連盟は最近、シリアの復帰を認め、アサド氏を再び仲間として迎え入れようとしている。アサド大統領の首脳会議への招待が決まったのは前週のことであった。サウジアラビアは2012年、内戦の引き金となった民主化デモへの残虐な弾圧を受けてアサド政権との関係を断った。シリア内戦では50万人以上が犠牲になり、数百万人が難民となった。シリアがアラブ連盟の参加資格を停止されたのも同じ理由からであった。
シリアをアラブ世界へ再び迎えるための手続きは、2018年には始まっていたが、今年2月にシリアとトルコを2度の大地震が襲って以来加速し、中東全域から大規模な援助が行われた。
地震の後、サウジアラビア外相であるファイサル・ビン・ファルハーン王子はアラブ世界において新たなコンセンサスが生まれつつあり、それは人道上の危機に対処するため、ダマスカスのアサド政権との交渉を含むこれまでとは異なる対シリア外交方針を採る必要があるということだと述べた。
アサド氏に先立ち、他のアラブ諸国首脳もジェッダに到着した。まずエジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領、次いでレバノンのナジーブ・ミカティ首相、パレスチナのマフムード・アッバス大統領、バーレーンのハマド国王、イエメンのラシャド・アル・アリミ大統領指導評議会議長、モーリタニアのモハメド・ウルド・ガズワニ大統領、オマーンのサイード・アサード・ビン・ターリク・アル・サイード国際関係・協力副大臣、チュニジアのカイス・サイード大統領である。
ジェッダ到着後、バーレーン国王は首脳会議が各国指導者にとってアラブ世界の行動を支えるための協議、意見交換、協働の促進の「良い機会」だと述べた。
首脳会議の開催と時を同じくして、アラブ世界にはさらなる結束と目的意識を求める声が上がっていた。サウジアラビアの権威の高まりと、中東地域の問題に対する「自家製の」解決策を支持するその姿勢によって、アラブの協調を求めるこれらの声に大きな弾みがついたと専門家はアラブニュースに語った。
「1945年にアラブ連盟が設立されて以来、開催されたすべての首脳会議は地域の危機と汎アラブ主義を掲げる連盟内の大きな不和により妨げられ、多くの場合中止に追い込まれるか、あるいは具体的な成果を上げることができないかでした」と、ヨルダンの議員で政治アナリスト、オマール・アヤスラー氏は説明する。
「ですが、今回のジェッダでの会議はこれまでとは違っているように思われます。会合に先立ち、サウジアラビア主導で多くのイニシアチブと実際的な方策が提案されました。その狙いは、まずは会議のための前向きな下地を準備し、それによって地域の抱える危機へのアラブ世界の統一された立場を明確にし、その危機に対処するために必要な集団的枠組みを作ることです。」