
ジェッダ: サウジアラビアと日本の国交樹立70周年を記念して、在ジェッダ日本国総領事館は3月8日まで3週間にわたり「マンガ北斎展」を開催する。
ジェッダ歴史開発プロジェクトと国際交流基金の協力で開催されるこの展覧会は、19世紀の浮世絵師・葛飾北斎の作品から、王国で広く人気を博している現代的なフォーマットまで、日本の漫画の進化を探るものだ。
ジェッダの歴史的邸宅の一つであるアル・バラドのベイト・アミール・バハールで開催されたこの展覧会は、日本のストーリーテリングの文化的奥深さを紹介しながら、芸術的スタイルの類似点と対照点の両方を浮き彫りにしている。
単に北斎の作品がマンガにどのような影響を与えたかに焦点を当てるのではなく、この展覧会は来場者に両者のスタイルを比較し、何が両者をユニークなものにしているのかを理解するよう促す。この展覧会では、視覚的なストーリーテリング、芸術的技法、異なる時代を超えた文化への参加といったテーマを検証する。
北斎の漫画画は、時に漫画のようでありながら、自然から人間の表情、日常生活まで幅広い題材を含んでいる。現代の漫画とは異なり、彼の作品はユーモアを中心としたものではなく、芸術的な指導と娯楽性のバランスが取れたものだった。
北斎は木版画を使って漫画を描き、3原色で画像を紙に転写した: 黒、灰色、薄桃色だ。ほぼ800ページにわたる4000枚の挿絵からなる作品集は、1814年から1878年にかけて15巻が糸で綴じられ出版された。
タイトルの前にある「伝心会集」という言葉は、「精神を伝え、技を学ぶ」と訳され、このコレクションの教育的な目的が強調されている。
北斎漫画は元々、今日の「漫画の描き方」ガイドのように、芸術家志望者向けの参考書として使われていた。現代のファンメイドのマンガと同様、彼の作品は学習、模写、芸術的実験を奨励した。
アラブニュース・ジャパンの独占インタビューに応じた在ジェッダ日本国総領事の山本大介氏は、北斎について、題材や構図の革新を通じて伝統的な版画スタイルを現代化した、日本で最も偉大な芸術家の一人であると語った。
「北斎は、人物から風景や四季の移り変わりに重点を移すことで、つかの間の楽しみを描いてきた浮世絵というジャンルを変革しました。彼の版画は、飛び立つ鳥、咲き誇る花々、動き回る水など、自然のはかなさを観客に伝えました。彼の作品を通して、はかないものに対する鋭い意識と、時を超越したものに対する深い感謝の念が融合しています」と述べた。
公式発表によると、北斎の作品は日本の多様な風景をとらえ、共通のシンボルや物語で結ばれた情景や活動を描いている。国際的な影響を受け、後にヨーロッパの芸術家たちにインスピレーションを与え、彼らは彼の装飾的なモチーフ、連続的な構図、現代社会のビジョンを取り入れた。今日に至るまで、数え切れないほどのアーティストたちが彼の遺産と関わり続けている。
(この展覧会は)幅広い人々に互いの文化を知ってもらう機会を提供するものであり、それは将来、互いの理解に反映され、あらゆる面での協力関係を促進することになるでしょう
山本大介氏、在ジェッダ日本国総領事
山本総領事は、この展覧会の意義について、サウジアラビアと日本の文化的結びつきを強化する役割を強調した: 「この展覧会やその他の文化イベントの開催は、日本とサウジアラビアの優れた文化協力を基本的に確認し、友好と協力の絆を強化するものであり、幅広い人々に互いの文化を知る機会を提供するものです」
1970年代以降、北斎自身もマンガのキャラクターとして登場し、写実的な描写から空想的な解釈まで、さまざまな作家によってさまざまなスタイルで再構築されてきた。これはマンガの進化を反映しており、歴史上の人物と現代の物語技術を融合させている。
18世紀から19世紀にかけて流行した浮世絵は、目に見えないものを視覚化するといったマンガのテクニックの先駆けとなった。しかし、その台詞のような吹き出しは、しばしば台詞ではなく夢を描き、天気線は抽象的なシンボルとして使われるのではなく、場面に溶け込んでいた。
北斎の最も人気のある版画集は、「マンガ 」と名付けられた。この画集は主にその多様な題材と画風で知られているが、誇張された表現やアクロバティックな場面が頻繁に描かれることから、多くの人が「マンガ」を漫画やユーモラスなイメージと結びつけている。
同時代の歌川国芳の作品と比較すれば、北斎のマンガが必ずしも笑いを意図したものでなかったことは明らかだ。
19世紀の日本では、北斎の漫画の成功は、日常と気まぐれ、教訓と娯楽のバランスに根ざしていた。この融合が、北斎漫画の永続的な魅力を支えていたのだ。
今日の日本の漫画は、内容、特に動きを捉えることに重点を置いている点、そして複製技術の進歩により広く流通している点で、共通点がある。