
アラブニュース
ロンドン:ニューイングランド州の果樹園で発掘された古いコインが、史上最も凶悪とされ、これまで謎に包まれていた海賊たちの運命の手掛かりとなっている。
アマチュア歴史家のジム・ベイリー氏が、米国ロードアイランドの食べ放題式果樹園で金属探知をしていた際に、昔のアラビアコインを続々と発見した。
それらの発見により、かつて世界で最も凶悪な指名手配犯であった男がいかにして足取りを消したのかが明らかになった。
これらは北米で発見されたコインとしては最古のもので、これまで知られていなかったヘンリー・エブリ船長の物語を明らかにした。
1695年、彼は乗組員たちと、世界有数の大富豪が所有する船でマッカ巡礼からの帰路に着いていた裕福なインド人たちを荒らし回り、その名を馳せていた。
彼らは男たちを殺害し、女たちを強姦し、数千万ドル相当の金貨や銀貨を手にしてバハマ諸島へと逃げ込んだ。
彼らは瞬く間に世界最重要指名手配の海賊となり、イングランド王ウイリアム三世も彼らの首に莫大な懸賞金を掛けるほどであった。「誰もがこの海賊たちを探していました」とベイリー氏は言う。
これまで、彼らがある時点でアイルランドに上陸したことは分かっていたが、その後の足取りが途絶えていた。ベイリー氏の発見は、彼らが最終的にアメリカに上陸したことを裏付ける。
ベイリー氏が見つけたコインのアラビア文字が、この発見の重大さを最初に物語る手掛かりとなった。
調査の結果、これらのコインは1693年にイエメンで鋳造されたものであると確証され、2014年に最初に発見されて以降、さらに多くのコインが見つかっている。
「(エブリの)一部の手下たちが、ニューイングランドに定住して溶け込むことができたようです」とコネチカット州立機関の考古学者であるサラ・スポートマン氏は述べた。同州で2018年に、現在も発掘作業が続く17世紀の農場跡地からそれらのコインのひとつが発見されたのだ。「これはマネーロンダリング計略のようなものでした」
記録からすると、手下たちは奴隷商人を装い、それらしく見えるようにフランス植民地の奴隷を50人ほど買うことまでして、最終目的地であるアメリカ植民地に到着した。
当時ニューイングランドで新たな職種としてブームとなっていた奴隷商品を装うことで、世界有数の海賊であった彼らは公然と姿を現しながら潜むことができたのだ。