
アラブニュース
リヤド:アブドゥルアズィーズ王世界文化センター(イスラ)は、今年のカンヌ映画祭で2本の新作を発表する。
このプロジェクトは、本映画祭でサウジ・フィルム・コミッションが主催する「サウジ・パビリオン」への貢献の一環となる。
エジプトの脚本家でありプロデューサーでもあるモハメド・ヘフジー氏が、イスラの委嘱作品「砂の海(原題:Sea of Sands)」を紹介するほか、サウジアラビアの独立系映画監督、ハリド・ファハド氏が「バレーロード(原題:Valley Road)」を公開する。
これらの作品は、サウジアラビアのクリエイティブ産業における才能の育成と発展を目指すイスラの取り組みの一環である。
イスラ映画製作所(Ithra Film Productions)のバナーの下で製作されるこの2つの映画は、2023年の一般公開が予定されている。
イスラは、この2つの映画のキャストとスタッフは、サウジアラビアの意欲的な人材で構成され、映画クリエイターの世代を育てることにつながると述べている。
今回の映画製作は、「生命の循環についての型破りな瞑想」「現代の古代詩」と評された、イスラ初の委託映画「ジョード(原題:Joud)」の国際的な成功に続くものとなる。
この映画は、イスラム教以前の詩の一種であるカシーダに由来する実験的なストーリー構造を採用し、セリフはない。サウジアラビア国内の16カ所で撮影され、いくつかの国際映画祭で上映されている。
「イスラ映画製作所は、サウジアラビアを代表するインディーズ系の映画製作会社である」と、イスラの舞台芸術および映画部門の責任者であり、両作品のプロデューサーでもあるマジェド・Z・サマン氏は述べる。「イスラは、サウジアラビア国内で才能ある人材を育成し、映画と映画製作を促進することで、サウジアラビアの成長する映画産業を支援している。世界で最も権威のある映画祭の一つであるカンヌ国際映画祭のサウジ・パビリオンの一環として、次の2つのプロジェクトを発表できることは大変光栄である」
ヘフジー氏は、エジプト、アメリカ、イギリス、アラブ諸国で40本近くの長編映画の脚本、製作、共同製作を行ってきた。
「砂の海」は、ベドウィンの孤児とラクダが特別な絆で結ばれ、サウジアラビアを横断する旅に出るという成長物語である。
「イスラは、サウジアラビアの映画産業が勃興した時期に、同国の独立系映画製作者を支援するという重要な役割を果たしている。こうした人々を始め、このエキサイティングなプロジェクトに参加するサウジアラビアやアラブの才能ある人々と一緒に仕事ができる機会を大変楽しんでいる」と、ヘフジー氏は語る。
本作は、サウジアラビア国内の様々な場所で撮影される予定である。
「バレーロード」は、医者に行く途中で道に迷ったアリと呼ばれる自閉症の男性の旅をたどる。彼は人里離れた場所に一人でいることに気付くが、彼を待ち構える一連の障害や挑戦は、目の前にある世界を発見するのを止めることはない。
イスラの委託作品以外にも、同センターはサウジアラビアの映画産業を支援するいくつかのイニシアチブを推し進めている。
イスラ・シネマは、サウジアラビア国内の映画界の才能ある人々がスキルを磨き、作品を披露する場を提供している。
イスラ・シネマの中心的取り組み、プログラムには、サウジ映画の製作、サウジ映画の日、イスラ映画協会などがある。
また、イスラは毎年開催されるサウジ映画祭を始めた母体であり、地元の才能を支援し、コンテンツ開発に力を入れている。
イスラ映画製作所はこれまでに20本の映画を制作し、そのうち15本が地元、地域あるいは国際的な場で賞を受賞している。
また、トレーニングやシャドーイングプログラムを通じて人々に学習体験を提供し、映画制作に情熱を傾ける人々に、この分野でのキャリアを築く機会を提供している。