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日本人の「9.11哀歌」=テロ20年、跡地で絵画展示―NY

2021年2月26日、ニューヨーク市にある911メモリアル&ミュージアムの概観。(AFP/ファイル)
2021年2月26日、ニューヨーク市にある911メモリアル&ミュージアムの概観。(AFP/ファイル)
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07 Sep 2021 01:09:58 GMT9
07 Sep 2021 01:09:58 GMT9

ニューヨーク時事: 2001年9月11日の米同時テロで崩壊したニューヨークの世界貿易センタービル跡地にある「9.11追悼記念博物館」に、犠牲者を静かに追悼する絵画がある。「森の星たち 9.11の哀歌」。半世紀を超えてニューヨークに住み、同時テロを実体験した日本人画家、中川直人さん(77)の思いが凝縮した作品だ。

同時テロの現場から徒歩10分ほどのスタジオで、テロ直前の01年9月初めから3カ月半をかけて仕上げた。当初は地元の「美しい星の形をしたコケたちが生み出す自然のマジックの一面」を描く予定だった。しかし、同時テロの惨劇を目の当たりにし、犠牲者にささげる作品を描きたいとの思いが募っていったという。

その後、一つ一つのコケに輝くような効果を持たせ、命の輝きを表現した。米国にはクリスチャンが多いことから、じっくり鑑賞すると十字架が浮かび上がる仕掛けを配し、赤、白、青の配色で星条旗も意識。「僕の祈りが入っている」と中川さんは語る。

14年の博物館開館前から寄贈を働き掛けていたもののかなわず、同時テロ体験者が最終的な寄贈を条件に購入。19年に寄贈され、今年5月から展示されている。

同時テロから来月11日で20年となる。中川さんは「このような悲劇を二度と起こしてはならず、世界で争いが続く中、その原因を誰もが自分自身に問い直さなければならない」と訴えている。 

時事通信

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