
アミン・アッバス
ドバイ:サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が設立したミスク財団の系列会社マンガプロダクションズ社が、MBCグループとの契約を交わしたことを発表した。
この契約により、サウジアラビアと日本の映画『ジャーニー(The Journey)』が、10月1日からMBCグループのオンデマンド動画プラットフォーム「シャヒドVIP」で配信されることになる。
この映画はアラビア語と日本語での視聴が可能で、視聴者は好きな言語を選ぶことができる。今回の契約は、マンガプロダクションズ社とMBCグループとのこれまでの一連のプロジェクトの成功を物語るものだ。『ジャーニー』は、VOXシネマが中東・北アフリカ全域で公開したこともあり、この地域では多くの好評価を得ている。
マンガプロダクションズ社のブカーリ イサムCEOは、この映画に関する提携を結んだことについて、「映画館での公開以来、国内外で好意的な反響を得ているこの映画の旅(ジャーニー)の続き」であると述べた。
「今回の動きは、映画館でこの映画を楽しむ機会を逃した視聴者の方々に、シャヒドのプラットフォームを通して観ていただくものであり、サウジアラビアのコンテンツや制作に大きな勢いがあること、そして国内外の視聴者がこの手の本格的なエンタメコンテンツを欲していることを物語るものです。今回の契約は、マンガプロダクションズ社とMBCグループによる、シャヒドVIPプラットフォームを通した豊かで楽しい今後のビジネスの始まりです」とブカーリCEOは付け加えた。
映画は、1500年前のアラビア半島を舞台に、主人公アウス・ビン・ジュバイルの物語を描いたものだ。
映画の日本語版は、『ガンダム』シリーズの古谷徹氏や『新世紀エヴァンゲリオン』の三石琴乃氏を始めとして神谷浩史氏、中井和哉氏、中村悠一氏、黒田崇矢氏などの著名声優陣が声を担当している。
アラビア語版では、主人公のアウスをナサル・アル・ナサル氏が担当するほか、ヤシル・アル・サジャフ氏、アブド・シャヒン氏、ラシャ・リズク氏といった才能あるアーチストたちが担当する。
『名探偵コナン』で有名な静野孔文氏が監督を務め、『ポケモン』の冨岡淳広氏が脚本を執筆、ゲーム『逆転裁判 蘇る逆転』の岩元辰郎氏がキャラクター原案を担当し、『獣兵衛忍風帖』、『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』、『犬夜叉』、『逆転裁判』などの作品で知られる和田薫氏が音楽を担当している。
この映画は、2019年5月に発表され、当初は2020年末の公開予定であったが、新型コロナの影響により公開が2021年夏へと延期となった。
マンガプロダクションズ社は、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子に敬意を表して「ミスク」という名でも呼ばれるムハンマド・ビン・サルマン皇太子財団の系列会社だ。同社は、アニメ、漫画、ビデオゲームの制作を通して「サウジアラビアの発想やメッセージを世界に広める」ことを目的としている。