
国営サウジ通信(SPA) リヤド
ファイサル・ビン=ファハド王子美術会館が30日、再オープンした。オープンには、ミスク美術館館長も務めるバドル・ビン・アブドラ王子(サウジ文化相)の支援を得た。
再オープンには、サウジのアートシーン鼓舞という主たる役割を復活させることに加え、美術作品を展示し、創作体験をやりとりする場を設けるといったねらいもある。
同施設は、過去数多くの若い才能を抱えるなど、早い時期からサウジの芸術家らを支援してきており、こうした重要な役割をふたたび担うことが今回の再オープンの眼目だ。
同施設ではサウジ美術の黎明期からの芸術家らによる作品を展示。また、サウジのビジュアルアーツ界にとっても貴重な発表の場となる。サウジにおける芸術運動の発展は、その多くがここを舞台に展開されている。
再オープンにともない、開館35周年を記念した『会館の舞台裏』展も催されている。1986年にオープンしてから10年間の作品、文献、実績またパンフレット一式を披露し、草創期の10年間の歴史を振り返っている。
また、この時期の著名な芸術家らの名入り写真も展示している。
ミスク美術館は、会館を教育と相互交流の機能をあわせもつ美術施設として生まれ変わらせるため、多くの設備やサービスを付け加えている。これは、文化に興味をもつ層や大学・専門学校等で美術を専攻する学生らなど社会全般を見据えたものとなる。
会館の元の名は単に美術会館といい、もともとファハド王の王令により1985年に設立された。ファイサル王子の名を冠するようになったのは、同王子のサウジ国内での芸術支援の取り組みに敬意を表したものだ。芸術に特化した政府関連施設としてはリヤド初となり、敷地面積も5,600平方メートルと、同種施設としては最大規模とみられる。
ミスク美術館はリヤドに本拠を置き、その活動範囲はリヤドのみならずサウジ国内外にわたる。2018年にはヴェネツィア・ビエンナーレでサウジアラビア常設パビリオンのコミッショナー館となり、世界で最も重視される文化行事において同国の常設展示場となっている。