
アメーラ・アビド
ジッダ:アーティストのアブドゥラー・スヤン氏は小さなガラス容器の中にミニチュアのテラリウムを作ることで、自然への愛を次なる段階へと進めた。
観葉植物には空気質や生産性やメンタルヘルスの向上といった、いくつかの利点がある。スヤン氏は自身の瓶のテラリウムで、ガラス容器の中で機能的に繁栄する生態系を作り、そうした利点をより多くの人にもたらしたいと思っている。
このテラリウムは土・木・岩・植物から作られる。デザイナーのスヤン氏はミニバージョンの滝やぶら下がった緑の地球・深い森を抜ける道を作った。他に取り組んでいる作品の中には、植物が、魚の食料と天然のフィルターの機能を果たす魚のアクアリウムなどがある。
スヤン氏の自然への愛はいつだって彼自身に根ざしている。「子どもの頃からいつも自然の風景を楽しんでいました。子どもの頃には家でも作業場でも、これらの風景を再現できたらいいなと常に思っていました。大きくなってこのテーマについて研究を始め、さまざまなソースから非常に多くの知識を得ました」
初めてのミニチュアテラリウムは19世紀に遡れる。英国の植物学者ナサニエル・バグショー・ウォード医師が1842年に作成した。瓶を土で一杯にして口を閉じ、その中の毛虫と蛾の一生を観察していたとき、偶然にもテラリウムが生まれた。今では家庭でもよく見られ、室内装飾に自然の一片をもたらしている。
テラリウムの作成プロセスには二つの大きな段階、ハードスケープとソフトスケープがあるとスヤン氏は言う。
ハードスケープというのは「木や岩といった基本的に硬い要素の配置に重点を置いたプロセスです。一方、ソフトスケープは植物を植えるプロセスです。そのため土・種・植物自体を扱います。植物を加えることで風景は完璧な美になります」と彼は説明してくれた。
28歳のスヤン氏は、植物についてさらに知識を得ようとしていて、趣味をより良いものにする道のりはまだ長いと言う。
テラリウムを作る上で最も挑戦的な部分は、瓶に命を吹き込む想像力あふれる発想だとスヤン氏は言う。
「そのために、私は実際の風景を注意深く観察して風景を選び、私に話しかけてくる、風景の本質を代表する部分を探します。難しい作業ですよ。このパートにはひらめきと静けさと集中が必要ですからね」
このプロセスには大きな縮尺で見つかるような、よく似た環境を作り出すことが含まれている。スヤン氏は火山岩や砂から成る第1層の前に、余分な水分を吸収する層を普段は作る。それから農土の層がくる。地面ができたらスヤン氏は木と岩を用いて再現しようとしている風景を真似る。最後の段階は植物を育て世話をすることからなる。
こうした景色が他の室内装飾よりも成功を収めているのはシンプルな理由からだとスヤン氏は信じている。「自然で命があるからこそ、見ていてとても美しいのです」