
アミン・アッバス
ドバイ:「ドラゴンボール」シリーズの最新映画であり、6月に日本で公開された『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』が、ドバイのナキール・モールにあるヴォックス・シネマズにてプレミア上映された。
映画を観た観客の1人は次のように述べている。「悟飯とピッコロにメインキャラクターとして焦点を当て、彼らがレッドリボン軍の新たな脅威に立ち向かう様子を描いた映画のストーリーがとても良かった。映画で見られた新しいアニメーションのスタイルも、シリーズに新しい可能性をもたらすもので、良いと思った」
別の観客は映画のCGアニメーションと未熟なストーリーに不満を抱いた。「ひどい映画だったと思う。CGIアニメーションのクオリティはPlayStation 2時代のようだった。『ドラゴンボール超 ブロリー』とは比べ物にならない。『ブロリー』には高品質のアニメーションで描かれた戦闘シーンや、素晴らしく魅力的なストーリーとキャラクター描写があった。今回の映画ではこれらの要素が全く駄目である」
「この映画の多くの場面を駄目にしていたのが速すぎるストーリー展開だ。原作ではとても興味深い方法で盛り上がりを作っていたのだが。この映画で唯一良かった点は、悟空とベジータを主役に据えてきた過去の大半のドラゴンボール映画と違い、悟飯とピッコロを主役にしたことだ」
本作は「ドラゴンボール」シリーズの映画としては通算21作目となり、原作者の鳥山明氏が制作に直接携わったものとしては4作目、『ドラゴンボール超』のタイトルを持つものとしては2作目となる。また、主に3Dアニメーションを用いて製作された映画としては最初の作品となる。
映画のあらすじは以下の通りである。レッドリボン軍の新リーダーである「マゼンタ」が、ドクター・ゲロの孫である「ドクター・ヘド」を、カプセルコーポレーションがエイリアンと協力してやがて侵略を行うための準備をしている悪の秘密組織であると信じ込ませる。そして、ヘドは「エイリアンの脅威」を打ち破るために2体のスーパーヒーロー人造人間を制作する。しかし、悟空とベジータは地球におらず、魔人ブウは眠っており、悟飯はやる気もなく修行も行っていないため、立ち上がって世界を守れるのはピッコロだけとなる。
「ドラゴンボール」シリーズ原作者である鳥山明氏が総力をあげ、深く関わった本作では、原案、脚本、キャラクターデザインも伝説的な漫画家である同氏が行っている。
また、本作は児玉徹郎氏が監督をしており、日本語版の声優としては、野沢雅子氏(孫悟空、孫悟飯、孫悟天)、古川登志夫氏(ピッコロ)、久川綾氏(ブルマ)、堀川りょう氏(ベジータ)、田中真弓氏(クリリン)、草尾毅氏(トランクス)、皆口裕子氏(ビーデル、パン)、入野自由氏(ドクター・ヘド)、神谷浩史氏(ガンマ1号)、宮野真守氏(ガンマ2号)、ボルケーノ太田氏(マゼンタ)、竹内良太氏(カーマイン)などが出演している。
ドラゴンボール現象が始まったのは、1984年に鳥山明氏が描いた有名な原作が集英社の『週刊少年ジャンプ』にて初めて掲載された時のことだ。そして、『ドラゴンボール』は10年半に及ぶ連載期間においてトップクラスの人気を誇る作品であり続けた。以降、原作である『ドラゴンボール』の人気は高まり続け、世界中で2億6000万部を売り上げるという信じられない記録を打ち立て、今もその部数を伸ばし続けている。高まり続ける人気と共に、『ドラゴンボール』は漫画の枠をはみ出し、テレビアニメ、映画、ゲーム、グッズなどでも展開されるようになった。原作が連載開始されてから38年が経っているが、ドラゴンボールは進化し続けており、今回の大規模な新作映画をきっかけとして、新たなる高みへと到達することだろう。
本作は英語およびアラビア語の字幕付きのオリジナル日本語音声で、中東各地の映画館にて現在上映されている。