
シャンタル・フアド
ドバイ:東京の繁華街から少し離れた所にある経営難の博物館「目黒寄生虫館」は、ビル・ゲイツ氏が突然訪れて以来、思わぬ展開となっている。
目黒寄生虫館は寄生虫を専門に扱う世界で唯一の博物館である。
東京都心から離れているため観光客からは見逃されがちだ。最寄りの地下鉄の駅からは約1キロメートル離れている。
1953年のオープン以来、全ての人が無料で入館できる。運営費は寄付に頼っている。
多くの企業がパンデミックから大きく影響を受けたが、目黒寄生虫館も例外ではなかった。新型コロナの影響が社会・経済に影響を与え始めると、寄生虫館は寄付を呼びかけるようになった。
非営利慈善組織として運営されているため、運営費を寄付に頼っているのだ。
十分な寄付がなかなか集まらず、年間運営費の半分を集めるのがやっとだった。
ところが、ある著名人がふらりと訪れたことで目黒寄生虫館の運命は完全に好転した。ビル・ゲイツ氏である。
9月に訪れたゲイツ氏は、寄生虫館内で世界最長のサナダムシを見る自身の姿をツイッターに投稿した。
I’m at my happiest when I’m learning – no matter how gross the subject matter. Today, I experienced the Meguro Parasitological Museum in Tokyo, and saw what is believed to be the world’s longest tapeworm. 10/10 would visit again. pic.twitter.com/pMsHSswSBM
— Bill Gates (@BillGates) August 19, 2022
6030万人のフォロワーがいるゲイツ氏のツイートの結果、ウェブサイトへのアクセスや寄付が急増し、運営に必要な額を大幅に上回る資金が集まった。目黒寄生虫館は、これは当然ゲイツ氏の訪問のおかげだということで「ビル・ゲイツ効果」と呼んでいる。