
サルマ・モハメド
カイロ:フランスのファッションブランド「ディオール」(Dior)は、古代エジプトのギザのピラミッドで初のショーを開催し、千年以上前の歴史的墳墓の前で2023年秋のメンズコレクションを発表した。
日没後、ライトアップされたピラミッドを背景に行われたショーには、ナオミ・キャンベル、ルイス・ハミルトン、ロバート・パティンソン、K-POPスターのチャ・ウヌなど、800人のゲストが出席した。
このイベントはエジプトの豊かな歴史と文化を称えるもので、ファッションシーンの中にもそれらを取り入れた。エジプトは、こうした華やかでグローバルなイベントを開催したことについて国内外から賞賛を受け、市民からの評判も上々だった。
ギザは、ディオールのこのイベントツアーの4番目の開催地となった。これ以前には、東京、マイアミ、ロンドンで開催されていた。
ディオールのメンズ・アーティスティック・ディレクターのキム・ジョーンズ氏は、ショーノートに次のようにつづった。「私が古代エジプトについて関心を寄せているのは、星と空です。その意味でも、またクリスチャン・ディオールが生涯と作品を通して繰り返し表現していたシンボルと迷信の魅力という意味でも、クリスチャン・ディオールと古代エジプトには関係性があります」
ショーでは、映画『アラジン』の俳優メナ・マスードや歌手のHamaki、Okhteinの創業者であるAyaとMounaz Abdel Raouf、ラッパーのMarwan Moussaをはじめとするエジプトの著名人の姿も見られた。
また、ショーでは、ジョーンズ氏が得意とするニュートラルな未来的衣装をモデルたちが身にまとい、砂漠の砂の上を歩くシーンもあり、美しい対比を見せた。
ディオールはショーに先立ち、まだ一般公開されていない大エジプト博物館で、ゲストデザイナーのトレマイン・エモリー氏がデザインしたコレクションも披露した。
そのコレクションの中心を担ったのは、デニム、格子柄、バーシティジャケットだった。
エジプトは、このような重要なファッションイベントの開催により、単なる観光地から、クリエイターが集まり、インスピレーションを得る場所として再定義されることになった。
ショーの前には、多くのディオール関係者が観光に出かけた。
ディオールの一行は、エジプト観光・考古省考古最高評議会のモスタファ・ワジリ事務局長の案内で、サッカラを訪問した。
ワジール氏は、現地で行われている発掘調査を紹介したほか、クリスチャン・ディオール・クチュール会長兼CEOのピエトロ・ベッカーリ氏に対し、同評議会を代表して記念品を贈呈した。
同省の声明によると、ベッカーリ氏は、エジプトでショーを開催することに喜びをあらわにしたという。
ベッカーリ氏は友人やディオールの顧客に対し、エジプトを訪れ、そのユニークな考古・観光地区を楽しむことにもっと時間を費やすよう促した。