

相撲力士が最終的に土俵から引退すると、どうなるのか考えたことはあるだろうか?
芸人や歌手、エンターテイナーになる人もいれば、投資して実業家になる人もいる。しかし、多くの人が最終的に料理の世界でシェフやレストラン経営者としての成功を収めている。
アキオ・ハヤカワはその1人だ。頚椎骨折で相撲というスポーツを去ることを余儀なくされた後、彼は日本食に対する情熱を共有するために、レストランを開店することにした。しかし、生まれ育った日本に留まるのではなく、ハヤカワは世界の全く異なる場所、UAEに行き着いた。
富士屋は2018年11月にドバイにオープンし、ハヤカワはその取締役として経営し、レストランはそれ以降著しい成功を収めている。
「我々は東京にレストランを構えていましたが、私はいつも海外に行きたいと思っていました」と彼は語った。「最初は東南アジアに行きましたが、日本食レストランは既にたくさんあることに気付きました。5年から6年かかりましたが、たくさん考え、アジアの他の国々を訪問した後、最終的にドバイに来ることに決めました」。
ドバイの日本食レストランのほとんどが無国籍料理を目玉にしていることに気付き、ハヤカワとそのパートナーはとにかく純粋に日本食を提供するようなレストランをオープンさせることにした。富士屋はドバイの在留邦人だけでなく、地元の人々にも人気だ。
「ご来店いただく外国人のお客様の数は、オープン以降日本人のお客様の数の2倍以上に増えました」と、彼はアラブ・ニュースに語った。ハヤカワは、日本から可能な限りのものを日本から直接仕入れている。しかし、時には妥協をせざるを得ないことも、彼にはわかっているが、決して質を犠牲にすることはない。
[caption id="attachment_838" align="alignnone" width="359"][4:48 PM, 11/13/2019] Ali Itani: 「もっと本物の日本食をドバイに持ち込みたかったのですが、時には合わせなければならないこともあります。例えば、日本で使っている醤油などです。アルコールを少し含んでいるからです。ですから、適切な代替品を探さなければなりません」と彼は話した。
同レストランは、現地で仕入れたハラール肉のみを利用している。「少し味は違いますが美味しいですよ」とハヤカワは言う。
ハヤカワは、その上質な風味で世界的に有名な和牛の現地調達先も見つけている。つまり、有名な日本の牛肉を誰でも味わえるようにしているのだ。
富士屋は、日本の伝統的な居酒屋をモデルとしている。手でつまんで食べられるような料理や小皿、その他のおつまみを出すバータイプのレストランだ。しかし、よりボリュームのある料理も提供しており、ラーメンや丼物、その他にも多くの食べ応えのある料理がメニューに並んでいる。
日本のレストランのほとんどは、ラーメンや寿司、焼き鳥など、ある1種類の料理に重点を置いており、異常なまでにある1つの料理にこだわる。富士屋の目標は、より多くのメニューを用意しながらも、どれも質が高い、よりカジュアルな食堂を作ることだ。
焼き鳥(肉の串焼き)や、フライドチキンのから揚げなどの定番は、最も人気の料理だが、より食べ応えのあるものを求める人向けに、富士屋はラーメンやしゃぶしゃぶ(鍋)、寿司、どんぶり(ご飯もの)なども提供している。
料理は全て富士屋のキッチンで愛情をこめて調理されており、日本人でも外国人でも食べ飽きることはないだろう。
レストランは日本の議員や政治家、大使館職員にも人気だ。
とりわけ人気なのが、レストランの中央にUAEで最大の提灯を富士屋があしらっていること。 レストランを訪れる全ての人々を、大きな明るい白い光でもてなしている。
富士屋のUAEでの成功に背中を押され、経営陣は近くサウジアラビアにレストランを出店することを考えている。
「ドバイに2号店をオープンさせる計画に加えて、サウジアラビアにもレストランを開店させたいと思っています」と、ハヤカワはアラブ・ニュースに語った。