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コロナウイルスへの懸念で石油価格が4%以上下落

中国、珠海市の港の油庫に石油タンクやガスタンクが見える。(ロイター通信)
中国、珠海市の港の油庫に石油タンクやガスタンクが見える。(ロイター通信)
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28 Feb 2020 06:02:13 GMT9
28 Feb 2020 06:02:13 GMT9
  • 取引業者は、ウイルス感染が特に中国からの原油需要に及ぼす影響を懸念している

ロンドン: 石油取引業者たちが、ウイルス感染拡大が特に主要消費国の中国からの原油需要に及ぼす影響を憂慮するなか、世界の石油価格は木曜日に4%以上落ち込んだ。

ブレント原油の4月分価格はバレル当たり約4.2%減の51.20ドル、ニューヨークのWTI原油の同月価格も5%近く下落して46.31ドルとなった。

「ウイルスが、世界的な減速、消費意欲の落ち込み、移動の減少を促進させるとの懸念から、需要の減少が見込まれ、それが価格に重くのしかかっています」とCMCマーケッツのアナリストであるマイケル・ヒューソン氏は述べた。

投資家たちは新型コロナウイルス(COVID-19)大流行の経済的な影響について、次第に不安を募らせている。

その間にもウイルス感染は拡大し続けており、ブラジルが中南米初の発症を報告した後、デンマーク、エストニア、ギリシャ、ジョージア、ノルウェー、パキスタンでも続々と報告されている。

中国では約2800人が死亡し、8万人以上が感染している。他にも何十カ国へと広がり、50人以上の死者、3600人の発症者が発生し、パンデミックへの不安が高まっている。

韓国、日本、イタリアといった経済大国へのウイルス感染の拡大は、原油需要の伸びを妨げるとの懸念を生んでいる。

コンサルタンツ・ファクツ・グローバルエナジーの原油需要量予測は、感染拡大のために2020年1日当たりの伸びを6万バレルとしているが、これは「実質的にゼロ」とされるレベルである。

ドナルド・トランプ米大統領は水曜日夕方に、コロナウイルスによるリスクは「非常に低い」ままであると国民を安心させるべく努めたが、世界株式は再び急落し始め、今週だけで3兆ドル以上の価値が消失した。

「世界保健機関がコロナウイルスをパンデミックと宣言すれば、原油価格にさらなる悪影響を及ぼしますが、それは今すぐにでもあり得ることです」とPVMオイル・アソシエイツのアナリストであるタマス・バルガ氏は述べた。

「ムードは悲観的でトンネルの終わりは見えません。先行きに光はなく暗闇あるのみです。ポジティブな変化のあった米国の週間原油レポートですら価格を支えることはできませんでした」

製油所の処理量が縮小され、2月21日の週のガソリン貯蔵量は270万バレル減の2億5640万バレルに落ち込んだと米エネルギー情報局(EIA)は水曜日に述べた。精油在庫量は210万バレル減の1億3850万バレルであった。

米国の原油貯蔵量は45万2000バレル増の4億4330万バレルに増えたが、これはアナリストの予測した200万バレル増よりも少ない量であった。

原油市場は、「OPECプラス」と呼ばれるロシアを含めた石油輸出国機構がさらに生産量を減らす可能性を見守っている。

「世界じゅうの大規模な隔離政策が厳しい需要破壊を引き起こしており、今後2四半期間は石油が急落します」とOANDAのシニア市場アナリストのエドワード・モヤ氏は述べた。

「OPECプラスは来週さらに生産量を縮小させるだろうとの予測が高まっています」

OPECプラスは3月5日、6日に、ウィーンでの会合を予定している。

ロイター通信/AFP通信

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