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航空業界首脳陣、将来展望に関する意見交換のためリヤドに参集

サウジアラビアの航空輸送部門は、同国の国内総生産に約202億ドルの貢献を果しており、2018年には外国人観光客によるさらに162億ドル分の消費があった。(資料写真)
サウジアラビアの航空輸送部門は、同国の国内総生産に約202億ドルの貢献を果しており、2018年には外国人観光客によるさらに162億ドル分の消費があった。(資料写真)
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20 Dec 2023 10:12:20 GMT9
20 Dec 2023 10:12:20 GMT9
  • サウジアラビアの首都において、2日間の会期で第2回サウジ空港展示会が開催される

マナル・アル・バラカティ

リヤド:世界の航空業界のオピニオン・リーダーや関係者たちが第2回サウジ空港展示会のためにリヤドに参集し、航空業界の新たなトレンドや喫緊の課題について意見交換を行う。

リヤド国際会議展示センターにおいて12月19日、20日に開催されるこのイベントでは、世界の航空業界に関連した、深い洞察に裏打ちされた多様な議論が展開されると期待され、また、2つの会議が併催される。

6,000人超の航空産業関係者や250の世界各国からの出展者、50社の参加企業、200の中東地域のバイヤーが集うサウジ空港展示会と、事前から予定されている2,000もの会議が行われる「世界航空問題会議」と「航空産業女性総会」という2つの共催イベントでは、航空分野の中核的な人々が航空業界が直面する課題と協力の可能性について意見交換を行う。

ニッチ・アイデア社と民間航空総局傘下のマタラット・ホールディング社によって運営されるこのイベントは、今回は昨年の初開催から75%以上の成長を果たし、中東地域に再び世界の航空産業の最新状況や革新的技術、最先端の専門的知見を紹介することになる。

第2回サウジ空港展示会では、サウジアラビアやバーレーン、UAE、さらには英国やイタリア、ドイツ、米国から、世界トップクラスの空港サプライヤーが出展し、最新のイノベーションを披露する。

参加する組織団体は、経済規模がついに1兆ドルの大台に乗ったサウジアラビアにおいて、自社の製品やサービスを展示することになる。

このイベントでディレクターを務めるダクシャ・パテル氏は、「中東全般、特にサウジアラビアは、現在、世界でも最も活発な空港開発市場であることに疑いの余地はありません。この中東地域では、数週間毎に新しい取り組みや計画が発表されています。そして、前例の無いようなペースで中東地域の航空産業が変貌を遂げて行く様子を私たちは目の当たりにしているというわけです」

航空問題

2日間にわたる「世界航空問題会議」には、サウジアラビアの交通・航空分野のリーダーや航空関連の国際的な専門家やサプライヤーを初めとする500人以上が参加する予定である。この会議では、サウジアラビアの航空産業戦略、そしてより広範な文脈で航空産業の成長や持続可能性、収益性を国際的に実現するための協力的な取り組みの促進についての意見交換が行われる。

サウジアラビアでは、ビジョン2030の一環として、国内の空港容量を2030年までに3倍に増加させる事と、旅客輸送量の中東で最も速い増加を2020年から2040年の間に実現する事を目的とした史上最大規模の航空拡張プログラムが進められている。

プレスリリースには、サウジアラビアの航空輸送部門は、同国の国内総生産に約202億ドルの貢献を果しており、2018年には外国人観光客によるさらに162億ドル分の消費があったと述べられている。

予測では、今後20年間の航空産業の成長は126%と見込まれており、2037年までに約823億ドルと120万件近い雇用が生み出されることになる。

資本集約的な空港インフラ開発セクターが世界的に活況を呈する中、中東で最大の経済規模を持つサウジアラビアは、持続可能かつ近代的な空港施設の開発に取り組んでいる。

航空輸送はビジョン2030の達成に向けて中核的な役割を持っており、サウジアラビアは250以上の目的地と接続する、世界で5位以上の航空旅客輸送ハブの地位を確保することを目指していると、プレスリリースは付け加えた。

航空輸送通信と情報技術の第一人者で、今回のイベントにも参加したSITAの空港・通信担当副社長であるジハード・ブーリ氏は、「サウジアラビアが、中東で最大級に期待される航空市場として浮上していることに間違いはありません。航空インフラの変革や空港の拡張、旅客体験の向上に対するサウジアラビアの献身的な取り組みは、サウジアラビアを中東地域の航空産業における重要なプレーヤーに変貌させつつあります」と語った。

ブーリ氏は、「航空部門の急成長や野心的なビジョン2030の目標、航空需要の増加に、サウジアラビアが主要な航空市場として浮上してきていることが示されています」と付け加えた。

今回のイベントでは、一連のパネル・ディスカッションで、航空の現状と将来、そして地域及び世界の接続性、エアライン業界のトレンドと課題、さらには、航空分野における新興技術といったテーマが取り上げられる。

航空業界における女性たち

第2回サウジ空港展示会と併催される、初の「航空産業女性総会」では、将来の見通しや展望の変化に関する意見交換が行われる予定となっている。

この併催される会議は、サウジアラビアの航空関連の目標の達成を目指す過程における女性の役割に焦点を置き、中東全域において女性の新たな雇用機会の創出に寄与しようとするものである。

500人以上の参加者に100社以上の航空企業、50の空港とエアライン企業、25人の講演者が参集し、王国の航空事業拡大における女性の役割と、中東全域で女性のための雇用機会を新たに創出する方法についての議論が行われる。

航空関連では他の追随を許さない専門家を含む世界的な講演者たちが一堂に会するこの「航空産業女性総会」では、中東地域の航空産業における女性の多様性と女性にとっての社会経済的機会の拡大についての意見交換が行われ、将来の航空産業の成長を牽引する中東地域の多彩な労働力の創出に向けたサウジアラビアの取り組みに光が当てられる。

サウジアラビアは、民間航空の成長と発展を加速させる過程で、長年の障壁を撃ち破り続けており、女性のエンパワーメントはこうした取り組みの重要な事項であり続けている。

ダンマームの航空学校がサウジアラビア人女性の入学を初めて認め、それ以来、国営航空会社サウディアで機長として勤務するために、複数のサウジアラビア人女性がライセンスを取得した。サウディアでは、従業員として既に500人以上のサウジアラビア人女性を雇用している。

サウジアラビアにおいては、航空政策に変化があり、現在では客室乗務員として女性の雇用が認められている。多数のサウジアラビア人女性が副操縦士となる事を積極的に目指す中、航空学校への入学者が急速に増加している。

航空管制官の免許を取得した最初期のアラブ人女性であり「ウィメン・イン・アビエーション・インターナショナル」中東支部の共同設立者兼会長のメルバト・スルタン氏は、「私たちは今回のイベントで中東支部設立の10周年を祝い、サウジアラビアの航空業界が大規模な拡大期そして成長期を迎える中、女性たちがより多様な機会を探求することを奨励いたします。サウジアラビアは、国民全員と世界の航空コミュニティのために幾千もの新しい雇用機会を創出しつつ、女性を航空業界の変革の中心とすることで、素晴らしい先例となろうとしています」と、述べた。

「ビジョン2030に基づく女性のエンパワ―メント」や「サウジアラビアによる多様な取り組み」、「将来の航空業界の包括性」、「指導的立場における女性」、「技術系業務に女性が参入するためのキャリアパスの確立」などが、この「航空産業女性総会」の主要テーマとなっている。

この「航空産業女性総会」における主要講演者には、湾岸協力会議加盟国航空協会とサウジアラビア航空協会の会長であるファハド・ビン・ミシャール・アル・サウード王子やメルバト・スルタン氏が含まれている。

優秀空港賞

第2回サウジ空港展示会と並行して開催されるこのイベントのプレスリリースには、空港の利用体験を向上させ、世界の空港の運営の最適化や収益の最大化を図り、持続可能性を高める事に貢献した注目すべきイノベーションや技術、発想を提供した国際的なサプライヤーを表彰する授賞式を行う予定であると述べられている。

この賞ではカテゴリーとして、「インフラストラクチャーの拡張」や「持続可能性と環境」、「地上支援ソリューション」、「イノベーション」、「テクノロジー」、そして「旅客体験」などが設けられている。

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