
ダイハツ工業の認証試験不正問題で、国土交通省は21日、不正なデータで国の認証を取得していたとして、道路運送車両法に基づき、大阪府池田市の同社本社に立ち入り検査した。同省は今後、不正行為の事実関係の確認や全ての現行生産車の安全性の検証などを行う。
立ち入り検査は午前9時ごろに開始。同省は試験データに関する資料の確認や幹部らへの聞き取りなどを進める。
同社本社の正面玄関前には大勢の報道陣が詰め掛け、従業員が出勤する中、国交省の職員7人が建物内に入って検査に着手した。その後、同社の広報担当者が取材に応じ、「お客さまの信頼を裏切ることとなり改めて深くおわび申し上げる」と話した。
ダイハツは20日、国交省に第三者委員会の調査結果を報告。調査報告書によると、1989年以降、車両の側面衝突試験といった安全性などに関わる25の試験項目について、174件の不正行為があったことが新たに判明した。
不正が確認されたのは、すでに生産を終了した車種を含む64車種と三つのエンジンで、トヨタ自動車やマツダ、SUBARU(スバル)にOEM(相手先ブランドによる生産)供給している車種も含まれていた。
国交省はダイハツに対し、国の基準への適合性を確認するまで、現在生産する全車両の出荷停止などを指示。同社は国内外の全車種で出荷を停止すると発表した。
ダイハツによると、国内で確認された142件の不正のうち、141件については基準適合性を確認したという。同省は今後、すべての現行生産車の安全性を検証する。
ダイハツの認証試験不正は4、5月に発覚し、第三者委員会が調査を進めていた。
時事通信