
日本銀行は17日、84日間のドル資金調達オペレーションを通して302億7200万㌦を市場に注入した。世界の中央銀行が今週、コロナウイルス危機の中、金融緩和のための3ヵ月間の信用取引を行うことで合意してから初のオペレーションとなる。
今回の購入は、日銀が2008年12月2日、世界金融危機が引き金となって市場が混乱したのを受け、84日間のドルオペレーションで305億8400万㌦を供給して以来最大となる。
この金額は、米連邦準備銀行が16日に84日間のオペレーションで供給した170億㌦を超える。
日銀の措置は、ここ1週間の金融市場の大混乱により銀行や企業がドルの流動性を求める緊急事態になる中、世界の6つの主要中央銀行が共同歩調をとり、15日にドル現金をさらに供給したことを受けたもの。
しかし、米連邦準備銀が市場のお金を増やすため、先週末にかけて100ベーシスポイントの緊急利下げと量的緩和プログラムの更新を行った後も、ドル資金に殺到する動きが収まる気配はほとんどなかった。
日銀やその他の中央銀行による大規模なドル注入により、資金の逼迫は徐々に収まる可能性がある、とBNPパリバの日本担当ストラテジストであるイカワ・ユウスケ氏は述べた。
「きょうの結果は、今は少なくとも日銀にアクセスできる人々の間には潤沢なドル現金があることを示唆している。カギになるポイントは、このお金が、資金を必要とするさまざまな企業などにも行き渡るかどうかだ」。イカワ氏はこのように述べた。
16日にはドル・円ベーシスのスワップ(短期ドル・円スワップでドルの借り手が必要とする追加コスト)が、142ベーシスポイントから91ベーシスポイントに低減したが、これは逼迫状態が軽減する兆候になる可能性がある。
日銀も、7日間のオペレーションで20億5300万㌦を供給した。
日銀は2008年の金融危機以降、1週間のドルオペレーションを維持してきた。しかし、ここ数年は、先週に至るまでは資金の受け手がほとんどいなかった。
ロイター