
ダイハツ工業は7日、認証不正に伴い昨年12月下旬から停止していた本社工場(大阪府池田市)の操業を再開した。これに伴い、国内の完成車4工場が約4カ月ぶりに全て稼働。同社は滞っていた受注車両の納入とともに、見合わせていた既存車両の改良や新モデルの開発を急ぐ。
本社勤務の男性は同日朝、「大変多くの方々に長時間ご迷惑をおかけした。まだ信頼回復の途上だが、一歩前に進めたと思う」と語った。同社広報は「再発防止策を徹底し、愚直に取り組んでいきたい」とコメントした。
同社は国土交通省が安全性を確認した車種について、2月から京都工場(京都府大山崎町)などで順次生産を再開。本社工場では軽スポーツ車「コペン」とトヨタ自動車向けの同名車種を製造する。ただ、全工場が稼働しても、新モデルの投入遅れなどで生産台数は不正発覚前の2022年度と比べ8割未満にとどまる見通しだ。
不正を受け、ダイハツは開発期間の延長や認証担当者の増員をはじめとする再発防止策を打ち出した。井上雅宏社長は先月下旬のインタビューで、これらを徹底した上で年内の開発再開を目指す意向を示している。
時事通信