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市場の動揺が続く中計画されたバーチャル石油サミット

2人は顔を合わせるのか?サウジアラビアとロシアのエネルギー大臣、アブドぅル・アジズ・ビン・サルマーン・アル・サウード王子とアレクサンドル・ノヴァク氏。(ロイター)
2人は顔を合わせるのか?サウジアラビアとロシアのエネルギー大臣、アブドぅル・アジズ・ビン・サルマーン・アル・サウード王子とアレクサンドル・ノヴァク氏。(ロイター)
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04 Apr 2020 07:04:42 GMT9
04 Apr 2020 07:04:42 GMT9

フランク・ケイン

ドバイ:世界の石油産業のリーダーたちは、原油価格の継続的な変動とエネルギー需要の低下の中で、来週の月曜日に重要な「バーチャル」サミットを計画している。

先週のサウジアラビア王国、ロシア、米国を含む一連の電話による外交および木曜日にサウジアラビアからの緊急会議を求める呼びかけ、ならびに政策立案者と石油業界の幹部とで行われた会議に続く会議となる。

サミットにはOPECのメンバー11か国に加え、OPECプラスから他の石油生産国も参加する予定だ。

しかし、実際にどの国々がサミットに参加するのか、昨夜にはまだ決まっていなかった。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は参加するかどうかを決める前に、同国の主要な石油会社の幹部と会談していた。このロシアのリーダーは以前、世界のエネルギー産業危機の解決を支援する会談に参加する意欲を示したが、一方では先月ウィーンでサウジアラビアが提案した一連のより大幅な石油減産に加わることを拒否しており、現在の価格競争の火付け役ともなった。

ロシアの拒否に対応して、サウジアラビア王国は生産を増やし販売価格を下げることとなった。日曜日に、生産量を過去最高の日量1,320万バレルに引き上げたサウジアラムコは、5月の「公式販売価格」(OSP)を発表する予定だ。グローバル市場のシェアをめぐる戦いにおいて、特にアジアの顧客を引き付ける、大幅な割引の継続が見込まれる。

金曜日の世界市場において、ブレント原油はジェットコースターに乗ったかのような展開を続け、約5%下落した後、17.5%上昇して34.91ドルに達し、さらに上げ幅を相殺して約33ドルとなった。

前例のない世界的な石油需要減少に直面し、月曜日の会議で生産国に残された選択肢は限られている。先月に減退した1日あたりの需要は2,000万バレルを超えるという推計もある。これは石油史上最大の収縮だ。

サウジアラビアとロシアは1日あたり約2,300万バレルを生産しており、米国からの提案なくしては、より大きな削減に伴う苦痛を受け入れそうにもない。

米国のドナルド・トランプ大統領は木曜日、1,000万~1,500万バレルの削減を予想している、とツイートしたが、これがどこから来るのかは明記しなかった。会議は、金曜日にホワイトハウスで石油業界の幹部や政策立案者を集め行われる予定だった。

ピューリッツァー賞を受賞した石油専門家のダニエル・ヤーギン氏はこう語った。「潜在的な取引における『いつ』、『どのように』、『誰が』といったことが不明瞭なままだ。それにプレーヤーの領域が広がるほどに協定を実施するのは難しくなるだろう。」

OPECプラスは、サウジアラビア率いる11のOPEC加盟国に加え、圧倒的に大規模なロシアを含む、OPEC非加盟の10か国で構成される。

月曜日の会議に米国が加わるのかどうかも分かっていない。米国はOPEC加盟国ではないが、米国の石油業界の幹部は過去にOPECの協議に参加してきた。米国の石油業界は国営企業とは対照的な民間企業で構成されており、その利害が異なるという事実が、新たな生産削減への米国の参加を制約する。

エクソンモービルやシェブロンなど大手企業は米政府の助言を進んで受け入れるかもしれないが、テキサス州シェール油田にある小規模企業は先月の変動から受ける差し迫った財政的影響をより重視している。

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