
ドバイ:「テスラ株を購入するのはハラールですか?」と、若いイスラム教徒の投資家候補が Twitter で尋ねる。
シャリーア法と近代銀行業の融合であるイスラム金融は債券から車の購入まであらゆる分野をカバーし、過去20年間で2兆ドル規模のビジネスに成長した。
しかし、敬虔なイスラム教徒にとってある投資がハラール(宗教的に許される)かどうかを判断するのは容易ではない。だが、新しい技術が役立っている。
例えば、モバイルアプリケーションZoyaによると、アメリカの電気自動車のパイオニアのテスラはシャリーアに準拠率が96%だと考えられる。
このアプリは、イスラム金融機関会計監査機構(Accounting and Auditing Organization for Islamic Financial Institutions)が発表した基準に基づいて米国上場株式を審査する。
イスラムのファンドは、タバコ、アルコール、豚肉、ギャンブルに関連する企業への投資を禁止されている。利息の獲得も「高利(貸し)」と見なされ禁止されている。
米国に拠点を置くオンラインハラールプラットフォームの Wahed Invest は、これらの基準を使用して、何万人もの人々が「倫理的な」投資を行うことを助ける。
イスラムの銀行家は、現代のプラットフォームが若い投資家に業界を開放し、本質的に倫理的であることによる信用性が別の魅力となることを望んでいる。
Wahed Invest のグローバル・エクスパンション・ストラテジスト、メフディ・ベンスリマネは、経典に示された原則は結局のところ2つの条件に集約されると言う。
「企業は、投機的なものではなく、本当に経済に影響を与えなければなりません。また、企業は世界に対してポジティブな貢献をしなければなりません」と彼はAFPに語った。
格付け機関スタンダード&プアーズによると、イスラム金融業界は比較的短い存在期間の中で2.1兆ドルの規模に成長している。
コロナウイルスの流行前になされた同社の予測では、このセクターは2020年に「ゆっくりと拡大を続ける」とされた。
金融技術(フィンテック)は、「より簡単で迅速な取引を促進する」ことで業界の成長を助けることができると、同社はイスラム金融予測2020年版(Islamic Finance Outlook 2020 Edition)で述べている。
コロナウイルスパンデミックが経済のその他の領域に起こったメルトダウンにより、イスラム金融セクター崩壊の懸念を引き起こしている。エミラティ・メディアの報道によると、ドバイ・イスラム銀行はすでにシャリーア互換債券の計画的な発行を延期した。
しかしイスラム金融は損益共有の概念に基づき、それゆえ銀行にとってのリスクを最小限に抑えるため、イスラム世界をはるかに超えてファンを擁している。
例えば、ジェッダに本拠を置くイスラム開発銀行は11月、日本のマンモス年金基金との間に、サステイナブルなシャリーア準拠製品の開発を支援する協定に署名した。
また、シンクタンクのResponsible Finance & Investment(RFI)Foundation は、実際の経済に根付いていることを根拠に、今回の暴落にも対応できる能力をアピールしている。
また、医療用防護機器などの産業への投資利益は慈善団体に寄付し、イスラムによる利息支払い禁止の戒律を破ることなくコロナウイルス危機と戦うことが可能であると推奨している。
しかし、このセクターのゆっくりと動く現在の性質は、危機に対応する能力の妨げとなるかもしれない。
ドバイに本拠を置くフィンテック企業、Wethaq Capital のモハメド・アル=セリ最高経営責任者(CEO)は、これまでは市場をより効率的にすることより、市場を成長させることに重点が置かれてきたと語る。
「イノベーション、標準化、プロセス自動化の欠如に苦しむ」同セクターは、今後もっとイノベーションに焦点を当てなければならない、と氏はAFPに語った。
AFP