
キヤノンが23日発表した2020年1~3月期の連結決算は、売上高が前年同期比9.5%減の7823億円、純利益が30%減の219億円となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、複合機などの販売が低迷。1600億円の純利益を見込んでいた20年12月期の通期業績予想は、コロナの収束時期が見通せず合理的な算定が困難だとして、未定とした。
感染拡大により、世界各地で外出が制限されたことを受け、オフィス向け複合機やレンズ交換式カメラの販売が減少。レーザープリンターなど一部製品の生産に遅れが生じ、供給が不足したことも販売減につながった。
電話会見した田中稔三副社長は「第2四半期以降も、消費マインドの減退や販売活動の制限で影響はさらに大きくなる」との懸念を表明。事業環境の悪化に備え、徹底した経費削減や設備投資の抑制に取り組む考えを示した。
時事通信社