
東京:日本銀行は27日、金融緩和策を2カ月連続で拡大した。企業の資金調達の負担を軽減し、新型コロナウイルスの世界的流行によって深刻化する経済的低迷に対処するための巨額の財政支出を賄うのが目的だ。
この方策により、日銀は、健康危機の中で前例のない額の金融支援を行ってきた他の主要中央銀行と歩調を合わせることになる。
日銀は社債やコマーシャルペーパーの買い入れ枠を7兆円程度から20兆円(1860億ドル)程度に増やした。
日銀はまた、国債を年間80兆をめどに購入する緩やかな指針を取りやめ、無制限に買う方針を明確にした。
日銀は、政策決定を発表する声明の中で、「上限を設けずに必要な国債の買い入れを行い、10年物国債金利が0%近辺にとどまるようにする」と述べた。
27日の会合は新型コロナウイルスの感染拡大予防で1日短縮されたが、日銀は大方の予想通り金利目標を据え置いた。
日銀の黒田東彦総裁は午後3時30分(GMT 6時30分)に記者会見し、政策決定を説明する。
日銀は長短金利操作(イールドカーブコントロール)と呼ばれる政策の下、短期金利は-0.1%、10年物国債金利は0%前後を目標としている。また、経済に積極的に資金を供給するために国債やリスク資産を購入している。
日銀の金利見直しは、連邦準備銀行(FRB)と欧州中央銀行(ECB)が今週行う金利見直しに先立って行われ、経済が破綻しないようにするための未知の領域に入った。
日銀が先月、社債や商業債務などのリスク資産の購入増やパンデミックで被害を受けた企業の資金調達を支援するための融資プログラムの創設を決定したにもかかわらず、企業の資金調達コストは日本では徐々に上昇している。
国債購入に関する指針の撤廃は、大いに象徴的な措置だ。日銀が年間20兆円に満たない買い入れしかしていないのは、市場における日銀の存在感が大きく、より少ない買い入れで金利をコントロールできるからだ。
日本は今月、国民には家にいること、企業には営業を自粛することを要請する非常事態宣言を拡大し、既に景気後退の変わり目にある経済をさらに苦しめた。
経済への影響を軽減するため、政府は先週、過去最大の117兆円(1.1兆ドル)の緊急経済対策を決めたが、その一部は国債の増発で賄うため、既に疲弊した日本の財政を圧迫する。
ロイター