

東京:ロサンゼルス・ドジャースは、太平洋を挟んだファンの関心とそれに伴うドルを獲得することを期待して、大谷翔平選手に前例のない7億ドルの契約をオファーした。
その狙いは当たっているようだ。火曜日と水曜日に東京ドームでMLBレギュラーシーズンが開幕し、大谷選手がドジャースとシカゴ・カブスの主役となる。
また、東京ドームの複合施設内の展示ホールにある広大な土産物店でも看板スターとして活躍している。
MLBは、この店舗を「史上最大の特別イベントストア」と呼んでいる。
「すごいと思いませんか?」と、店内の土産物棚と買い物客の間をゆっくりと歩きながら、リリアン・イザワさんは言った。ほとんどの土産物には、大谷選手の名前、顔、背番号17が描かれている。
何千人ものファンと同じように、イザワさんは30,000平方フィートの店内に入るために、3列から4列に並ぶファンの列に並び1時間も待った。彼女は晴れた日を選んだ。しかし、東京で雨の降る日曜日でも、列は長くなる一方だった。
火曜日と水曜日の試合が近づくにつれ、日常的な流れはさらに激しさを増すだろう。ドジャースとMLBは、昨年のオフシーズンに7億ドルの10年契約を結んだ大谷から利益を得ている。
大谷と彼の2人の日本人チームメイト、山本由伸と佐々木朗希、そしてドジャースに捧げられた「マーチャンダイズ・ミュージアム」と呼ぼう。シカゴ・カブスのファン向けの小さなコーナーもあり、帽子、ジャージ、Tシャツ、MLBの小物など、お決まりの品々が並んでいる。
「日本人は限定品や入手困難なものは何でも購入し、転売する」と、ホノルル出身の日系人でハワイアン航空の客室乗務員であるイザワさんは言う。
ワールドショッピングセンター
このお土産屋さんは、大谷選手が野球への世界的な関心を強めていることを象徴している。
カブスのクレイグ・カウンセル監督は、「これは重要なシリーズだ。野球が世界の舞台、世界的なプラットフォームであることを示している」と語った。
サンディエゴ在住のドジャースファンのロージー・ロサスさんは、日本で働く夫を訪ねて息子と一緒に東京までやって来た。ドジャース対カブスの試合のチケットは入手不可能だった。しかし、買い物は可能だった。
「こういう機会は滅多にない。それにドジャースはチャンピオンチームです。それに日本の選手は素晴らしい」とロサスさんは言う。
香港にルーツを持つ2人のカナダ人、ルビー・ユーさんとニック・マーさんは休暇でバンクーバーからやって来て、大谷選手を観戦の一部に取り入れた。
「品物がどんどん売り切れていく」とルビーさんが言うと、ニックさんがグッズでいっぱいの袋を抱えて並んだ。
2人は金曜日の阪神タイガース対シカゴ・カブスの試合のチケットを2枚、それぞれ200ドルで購入した。試合はタイガースが3対0で勝利した。ドジャース対カブスの試合の最も安いチケットでも、転売市場では約1,500ドルで取引されている。
「日本人は野球の大ファンだって知っていたから」とルビーさんは言う。
青いシカゴ・ジャージを着たカブスファンのジェイソン・アンブレイトさんは、お土産ショップで慎ましやかな買い物を楽しんでいた。シカゴのグッズが置いてあるコーナーを見つけたことを喜んでいた。
「混雑することは分かっていましたが、ここは私が今まで見た中で一番大きなショップです」と彼は言った。
彼はまた、地球上で最も幸運な野球ファンの一人でもある。彼はドジャース対カブスの試合のチケットをたったの60ドルで購入したと言った。
「発売日にチケットを手に入れました。ラッキーでしたよ」と彼は言った。
価格、為替レート
この2年半で、日本円の価値はドルに対して大幅に下落した。つまり、日本人が米国を旅行するには非常に高額になったということだ。日本円で買えるドルの額が減り、米国の物価は日本人にとって非常に高く感じられる。逆に、ドルを持つ観光客にとっては、日本は手頃な価格に見える。
つまり、このMLBショップは、多くの日本人ファンにとって、大谷選手や山本選手のグッズを購入する絶好の機会だということだ。ほとんどの人が、価格は高いものの、アメリカ国内よりも安いかもと指摘した。
スター・ドジャースの山本投手は、背中に自分の名前が入ったドジャースのユニフォームを着た何千人ものファンを目にした感想を尋ねられた。あるいは、看板に自分の顔が描かれていたり、巨大な土産物店の中に自分の顔があったりした感想を尋ねられた。
「ファンの皆さんの応援を目の当たりにして、その応援をポジティブなエネルギーに変えてマウンドに臨みたいと思います」と彼は答えた。
最も高価なものでは、ドジャースの白または青のジャージが約7万5千円(約500ドル)で販売されている。また、カブスとドジャースのジャージは、もう少し安い約2万5千円(約170ドル)で販売されている。
帽子やTシャツも人気で、30~50ドル台のものが多い。キーホルダーは18ドル前後、試合プログラムは20ドルだ。
「値段は妥当だと思います」と、21歳の日本人留学生、松井康平さんは言う。彼は、人混みとショッピングの混乱を「予想以上」と表現した。
「日本人は皆野球が大好きだし、メジャーリーグも大好きです。そして、人生で一度はメジャーリーグを生で見てみたいと思っている。これはそのチャンスです」と松井さんは付け加えた。
AP