

パリ:自動車業界でルノーと関係の深い4人の情報筋によると、ルノーは生産車種の大幅削減に取り組んでおり、押し迫りつつある経費節減計画の一環として、エスパスのミニバンをはじめ、普及率は高いものの伸び悩んでいるモデルについて撤退を検討しているという。
かつて業界のスター的CEOであったカルロス・ ゴーンの失墜と主要市場の停滞で大きくぐらついたルノーは、向こう3年間で20億ユーロ(21.6億ドル)の経費節減策の詳細を今月5月末に発表することになっている。
これはたまたま、ルノーと抗争を続ける日本の提携企業日産自動車が5月28日に最新の経営戦略を発表するのと時期を同じくする。日産の発表は、 ヨーロッパその他から撤退して、米国・中国・日本でのビジネスに焦点を絞るという内容が含まれる見込みだ。
「このプロジェクトはまだ完全に決定されてはいないが、エスパス、小型ミニバンのセニック、大型セダンのタリスマンについては、すでに今後の生産計画から外されることが検討されている。これらのモデルの生産停止は実際のところ既成事実だ」と情報筋の一人は語った。
そして「要は、ミニバンとセダンを減らし、クロス オーバーとSUVに集中するということだ」と続けた。
ルノーは2009年には既にミニバンとセダンのラインのオーバーホールに着手していますが、45〜50種のモデルについては、ルノー並びに傘下のダチア、RSM、ラーダ、アルパインといったブランド名でまだカタログに残っている。
ルノーは昨年10年ぶりの純損益を計上し、さらに他の自動車会社同様コロナウィルス危機によって大きな打撃を受けており、コメントは得られな かった。
ルノーはフランス国家に社株の15%が所有されているが、コロナウィルスのパンデミックによる販売と生産の落ち込みによる打撃に持ちこたえるため、現在政府と40〜50億ユーロの財政援助パッ ケージを交渉中だ。
ロイター