リーム・ワリド

リヤド：サウジアラビアとアラブ首長国連邦（UAE）は、人工知能（AI）の専門知識のグローバルハブとして台頭し、人材密度で世界トップ 20 に入る国々にランクインしたことが、新たな調査で明らかになった。

国際金融フォーラム（IFF）とディープナレッジグループ（Deep Knowledge Group）が共同で発表した最新の「グローバル AI 競争力指数」によると、サウジアラビア王国は世界の AI 人材の 0.7% を占めている。一方、UAEは0.4％を占め、ロシアやイタリアなどの国々を上回っている。

これは、サウジアラビアをAI分野で世界トップ15、オープンデータ指数でトップ10、データおよびAI関連出版物でトップ20にランクインさせることを目標とする、同国の「データとAIに関する国家戦略」を裏付ける結果となっている。

また、2030 年までに AI がサウジアラビアの国内総生産の 12.4% にあたる 2,352 億米ドルに貢献するという PwC の予測とも一致している。

Deep Knowledge Group のジェネラルパートナーであるドミトリー・カミンスキー氏はプレスリリースで、「サウジアラビアと UAE の AI に対する戦略的焦点、教育、インフラ、イノベーションへの多額の投資、そして優秀な人材と投資を引き付ける能力は、この地域における新たな成長の時代の舞台を整えている」と述べている。

両国は、グローバルな AI リーダーとなるべく大きなストライドを踏み出しており、UAE は AI ガバナンスとテクノロジーの主要プレーヤーとしての地位を確立し、サウジアラビアは AI 人材とアプリケーションのための強固なエコシステムを構築している」とカミンスキー氏は付け加えた。

さらにこの報告書は、キング・アブドゥラー科学技術大学（KAUST）が、AI 人材の育成において世界トップ 150 の大学にランクインし、中東全体で最高位の教育機関となったことを大きなマイルストーンとして指摘している。

また、サウジアラビア王国は、KAUST を世界トップクラスの AI 研究ラボの拠点とするため、スタンフォード大学をはじめとする主要機関との提携に 200 億米ドルを投じることを決定したことも明らかになった。これを補完する形で、「10,000 人のコーダー」プログラムなどの国家イニシアチブにより、サウジアラビアの若者に高度な AI スキルを身につけさせ、現地の人材育成とイノベーションの推進を図っている。

サウジ・ビジョン 2030 の一環として、AI はサウジアラビア王国の経済変革の重要な柱と認識されている。この戦略は、2030 年までに AI の研究と実装において世界トップ 10 に入ることを目標とし、200 億ドルの投資を呼び込み、20 万人のハイテク関連雇用を創出することを目指している。

サウジアラビア王国は、国の AI 戦略を主導するサウジ・データ AI 庁（SDAIA）を設立した。主要イニシアチブは迅速に承認され、通常、決定は 30 日以内に確定する。

ソブリン・ウェルスも AI の拡大を推進しており、サウジアラビアの公共投資基金は AI 投資専用の 15 億ドルのファンドを立ち上げた。

また、5,000 億ドルの予算の 30%以上を AI インフラに割り当て、スマートシティの未来を再定義する「ネオム」などのイニシアチブにも多額の資源を投入している。