
東京:日本の石油・ガス開発会社最大手のインペックス(Inpex)は9日、オーストラリアの主要プロジェクトであるイクシス液化天然ガス(Ichthys Liquiquefied Natural Gas)の生産が好調であること、原油価格の上昇、円安を理由に、年間純利益予想を23%上方修正した。
同社は現在、2025年の純利益を3,700億円と予想しており、5月の予想3,000億円から上方修正し、LSEGの世論調査によるアナリスト予想3,240億円を上回った。
山田大介専務執行役員は記者会見で、「今回の修正は、イクシスプロジェクトの順調な生産を反映したものだ」と述べ、原油価格の上昇と円安も寄与したと付け加えた。
山田専務執行役員は、イクシスプロジェクトは下半期に1ヶ月半のメンテナンスが予定されているにもかかわらず、今年は昨年並みの116カーゴのLNG出荷を見込んでいると述べた。
同社はブレント原油価格の前提を65ドルから69ドルに修正し、円の前提を144円から147円に調整した。
見通しが改善したことで、インペックスは年間配当予想を前回予想の90円、昨年実績の86円から100円に引き上げた。
また、8月12日から12月31日まで、発行済み株式の4.17%に当たる5,000万株、最大800億円の自社株買いを実施することも発表した。
山田氏は、「構造的な収益基盤の強化に加え、原油安や円高に対する耐性が向上したことで、将来の収益に対する確信が醸成された」と述べ、これが株主還元の増加の背景にあるとしている。
6月までの6ヶ月間、インペックスの純利益は5.1%増の2235億3000万円だった。
同社はインドネシアのアバディLNGプロジェクトについて、2027年までに最終的な投資決定を行うことを目指しており、ピーク時の生産量は年間950万トンとなる見込みだ。
山田氏は、2025年から2027年までの開発準備費用として4,000億円から6,000億円を積み立てる予定だと述べた。
ロイター