
ファイサル・ファエク
今週、原油市場は反発し、ブレント原油は42ドル以上に回復、WTIも同様の動きで1バレルあたり39.75ドルで終えた。
回復に転じたのは、主要株式の後退とともに先物市場の大規模な売りが出た中、6週間ぶりに下落した直後だった。
国際エネルギー機関(IEA)とOPECそれぞれの月例報告では、OECDの民間石油在庫が5カ年間の平均を過去最高に上回ったとしている。また、石油精製製品価格の急激な下落についても示している。
一方でブレント原油は42ドル以上に回復し、WTIも同じ動きで1バレルあたり39.75ドルで週を終えた。
エネルギー産業と経済全体の回復が低迷すると予想される中、OPECとIEAは石油需要がパンデミック前の1日あたり約1億バレル(bpd)の水準に回復するには予想よりも長くかかる可能性があると考えている。
原理に基づくことと同程度に感情により取引される商品であるが故に、金融マネージャーが、世界の需要に対するコロナウイルスの第二波の恐怖を要因として動くことに驚きはない。
ブレント原油価格市場の構造は予想よりも早く「逆鞘」へ移行した。このことは原油スポット価格が先渡価格よりも高い状況を裏付けている。このような市況がスポット市場取引を後押しし、世界的に見て歴史的レベルで石油および石油精製製品の在庫を枯渇させる主要因となる。
ブレント原油市場は、およそ1億バレルのフローティング貯蔵を経験したにもかかわらず、逆鞘に反転した。
このフローティング供給が消費され、市場が緩やかに再調整されるまで、石油市場が陸上貯蔵の大幅な減少を見ることはありそうもない。