• イエメン政府はフーシ派がまず、サヌアの銀行口座にある8000万ドルを超える資金へのアクセスをイエメン航空に認めなければならないとの考えを示した。

アル・ムッカラー：イエメン政府は、フーシ派が国営航空会社であるイエメン航空の銀行の口座に対する規制を解除するのと引き換えに、フーシ派の支配下にあるサヌアからのイエメン航空の便を増やすことを認めるとの案を提示した。

イエメン航空とフーシ派の対立により、サヌア空港からのフライトは停止している。事態打開のため、イエメン政府は9日、イエメン航空のサヌアからの路線を増やす条件として、フーシ派がまず、サヌアの銀行口座にある8000万ドルを超える資金へのアクセスをイエメン航空に認めるとともに、同航空の事業への介入をやめなければならないとの案を提示した。

「イエメン航空の要求がかなえられなければ、この構想を実現し、国民へのサービス継続を保証することはできない。まずは銀行口座の解放と、事業への介入中止から始めるべきだ」と、イエメン政府は声明で述べたと、国営サバ通信は伝えた。

フーシ派がサヌアの銀行口座にある資金へのアクセスを認めなかったことから、イエメン航空は今月に入り、サヌア空港からの商用便の運行を停止した。資金が使えないことで、イエメン航空は給与の支払いやメンテナンス、燃料費の支払いや新たに購入した航空機の分割払いなどに支障を来している。

政府の提案に対しフーシ派は回答していない。フーシ派は以前、イエメン航空の資金を差し押さえて多額の資金の引き出しを禁じているのは「腐敗との戦いの一環」だと主張していた。

サヌアからの便がキャンセルされたことで、数百人のイエメン人旅行者がイエメン国内または空港で足止めされている。中には命に関わる病気を抱えている人もいる。

サヌアとヨルダンを結ぶ路線は、2022年4月にサヌア空港が再開されて以降、イエメン航空にとって唯一の国際路線で、ほぼ毎日運行されていた。