
【第1部】日経平均株価は前日比252円29銭高の2万2512円08銭、東証株価指数(TOPIX)は15.52ポイント高の1577.37と、ともに3日ぶりに反発した。海外株高で投資家心理が改善し、金融株を中心に買い戻しの動きが広がった。
銘柄の74%が値上がりし、値下がりは23%。出来高は11億3795万株、売買代金が2兆0386億円。
業種別株価指数(33業種)は、証券・商品先物取引業、倉庫・運輸関連業、その他金融業の上昇が目立ち、下落は空運業、鉱業、精密機器。
個別銘柄では、野村、JPXが値を上げ、三菱UFJ、三井住友も上伸した。上組が高い。ソフトバンクGがにぎわい、ファーストリテは強含んだ。東エレク、富士通が大幅高で、キヤノン、キーエンスやトヨタはしっかり。JTが締まり、武田も堅調。ニトリHDが10連騰。半面、JAL、ANAが安く、国際帝石は軟調。オリンパスが値を下げ、ソニーも甘い。OLCが下落した。
【第2部】小幅続落。FDK、GMOペパが値を消し、ツインバードは急落した。クレアHDは続伸。出来高1億7596万株。
▽力強さなく
日経平均株価は上げ幅を前日比300円超に広げる場面もあったが、商いの盛り上がりを欠く「力強さがない展開」(銀行系証券)だった。
欧米株高で市場心理が好転し、取引開始直後から堅調に推移。米国での金融規制の一部緩和を受けた銀行株高に連れ、東京市場でも金融株が軒並み高となった。しかし、東京市場全体の売買代金上位にはソフトバンクGや新興企業市場のアンジェスなど個人投資家が選好する銘柄が目立つ。海外投資家の動きの鈍さを示す、厚みのない地合いをさらけ出した形だ。
米国では新型コロナウイルス感染の再拡大が顕在化。東京都でも感染者が増え始め、「経済活動の再停滞が警戒される」(大手証券)状況にある。経済実体と比較し「株価は割高」(中堅証券)との見方も少なくないだけに、投資家の多くは慎重な姿勢を崩していないようだ。
225先物9月きりも、上伸した。株価指数オプション取引は、プットが安く、コールは堅調だった。
JIJI Press