
日本の地価が2019年に5年連続で上昇したことが1日、国税庁の調査で分かった。だが、経済にコロナウイルスの世界的流行のしわ寄せが来るため、この傾向が続くことは確実ではないと同庁は警告した。
同庁によると、当時活況を呈していた観光産業や、2020年に開催が予定されていた東京五輪が近づいていたために進んでいた都市再開発などが追い風となり、地価は全国平均で1.6%上昇となり、2018年の1.3%上昇から加速した。
日本は、1990年代前半の「バブル経済」の崩壊や2007年の金融危機の後、長年にわたり土地価格のデフレに苦しんできたが、政府は資産価値を高める方策を取り、ここ数年は着実に上昇を続けてきた。
国税庁は毎年1月1日の時点で地価を評価し、不動産に掛かる相続税や贈与税を算定している。
しかし、同庁は、動向を注視し、2020年に観光産業が衰退し、パンデミックが経済を圧迫し、今年地価が急落すれば、史上初めて、それらの税率を下げる可能性があるとしている。
同庁職員は、「社会・経済環境の見通しは不透明。地価も同じだ」と述べた。地価が下落すれば、コロナウイルスが日本経済に損害を与えていることを示す証拠が増えるだろう。緊急事態宣言によって経済活動が停止し、個人消費が落ち込んだ後、日本は第2次世界大戦後最悪の不況に備えている。
ロイター