
シンガポール:原油価格は月曜日、ドル安および予想される米国の景気刺激策に助けられて上昇したが、世界中のコロナウイルス感染者の増加とおよび米中間の緊張により、上昇は限界に達した。
ブレント原油は32セント(0.7%)上昇して1バレル43.66ドル、WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は33セント上げて43.66ドルをつけた。
米中関係の悪化、およびコロナウイルス感染が減速の兆しを見せないことによる国内経済への懸念を受け、米ドル指数は2018年9月以来の低水準に達した。
「大規模な金融刺激策は原油に強気の影響を及ぼす」とレイモンド・ジェームズのアナリストはメモで述べ、原油価格が歴史的にインフレの急激な悪化により上昇してきたこと、現在の米国の通貨供給の増加は前例がない規模であることを付け加えた。
原油価格の上昇は、ヒューストンと成都の領事館の閉鎖後米中間の緊張が高まったことで上限に達した。一方、世界のコロナウイルス感染者は1,600万人を超えた。
アジアでは新たなロックダウンが課され、ヨーロッパでは英国がスペインから帰国する旅行者に検疫を課した。
ブレントは7月に4カ月連続で月次利益を上がる見通しで、WTIは3カ月連続の上昇となる模様。石油輸出国機構やロシア等の他の国からの前例のない減産が寄与している。
米国の石油リグ稼働数は先週、3月以来初めて増加したものの、米国でも生産量は急激に減少している。
米国や世界の他の地域におけるロックダウンの再開が消費を制限しているため、回復の道筋は平坦ではないが、石油需要は第2四半期の深い落ち込みからは改善した。
OANDAのアジア太平洋地域シニアマーケットアナリスト、ジェフリー・ハレー氏は「石油は対立する勢力の間に挟まれ、価格変動・変動幅が潰されているように見える」と語る。
ロイター