
ファイサル・ファエク
石油価格は、9月初めから続いていた下落傾向に終止符を打ち、ここ3ヵ月間で最大の週間上昇幅を記録した。今回の価格反発は、OPECと国際エネルギー機関(IEA)の両方の月例石油報告で強調された市場の強い下落基調の中で起きたものだ。
しかし、OPECが市場均衡に向けた関与を再確認したことにより信用が高まり、石油価格が押し上げられた。
2つの国際的な基準価格は共に1バレルあたり40ドルを突破した。ブレント原油価格は43.15ドルを記録し、WTI原油価格は41.11ドルに上昇した。
IEAの月例石油市場報告では、新型コロナウイルスの感染拡大が経済に引き続き打撃を加える中、市場が弱含みであることが記述された。また、そのような否定的な基礎的条件に加えて、石油精製による利益の貧弱さ、さらには記録的に増大し続けているOECD加盟国の石油備蓄量が強調されている。このほか、同報告は、浮体式海洋石油の報道も市場を弱気にさせ、短期的な需要回復の可能性を低下させる中、大量に売れ残った石油が9月に入ってからの固定的な価格下落を招いたことが指摘された。
ハリケーンサリーによる米メキシコ湾の原油産出量の減退と、米国原油備蓄の予想以上の減少さえもが、重要視されなかった。
メキシコ湾では日産50万バレルの米国オフショアの石油産出がシャットダウンにより停止されたものの、ハリケーンサリーは現地での操業に対し、今月初めのハリケーンローラの時ほどの大きな影響を与えることはなかった。
このような要因にもかかわらず、共同担当相監視委員会においてサウジアラビアがOPECプラスの減産に協力することを再確認し、市場が勢いを持ち始める先週まで、石油価格は下落していた。