ドバイ:5日に発表された調査結果によると、9月のサウジアラビアの非石油民間部門は、新型コロナウイルス感染拡大を封じ込めるための封鎖措置が緩和され需要が回復する中で、7か月ぶりにプラス成長に転じた。
IHSマークイットが発表した、9月のサウジアラビア非石油民間部門の購買担当者景気指数(PMI、季節調整済み)は50.7と、8月の48.8から上昇し、パンデミック前の2月以来初めて、景況拡大と悪化の分かれ目である50を上回った。
IHSマークイットのエコノミストであるデイヴィッド・オーウェン氏は、「9月のサウジアラビア非石油民間部門の事業活動は、コロナウイルス感染拡大を受けた封鎖終了後の経済が足場を固め始め、成長の伸びが回復してきたことから上昇した」と述べた。
「VAT引き上げの影響についても、8月には物価の急騰と売上の落ち込みが見られたが、今月は落着きを見せており、コストインフレのペースも限定的だ」
世界最大の原油輸出国であるサウジアラビアは、原油の価格下落と減産を受けた歳入拡大策の一環として、7月にVATをこれまでの3倍の15%に引き上げたが、これがコロナ禍の不況からの景気回復を抑制する要因となっているとエコノミストは指摘している。
8月には、VAT引き上げが個人消費や企業の生産コストに影響を与え、景気は悪化した。
同調査によると、9月の生産コストの上昇ペースは、VAT引き上げの影響が大幅に和らいだため鈍化したものの、雇用市場は引き続き低迷しており、雇用は8ヶ月連続で減少した。
サウジアラビア統計庁が先週発表したデータによると、同国の失業率は第2四半期に過去最高の15.4%に上昇し、GDPは前年同期比7%減となった。
オーウェン氏は、サウジ経済が「完全に回復するまでには時間がかかる」と述べている。
「生産量の伸びは通常をはるかに下回っており、雇用は、ペースは緩やかなものの依然として減少している。今年後半に向けて企業が成長軌道に回復するためには、売上高の継続的な増加が必要だ」
ロイター