
タイのラグジュアリーファッションブランドと自動車ブランドは、新型コロナウイルスのパンデミックのあいだ、同国のソーシャルコマースへのニーズが高まっていることから日本のチャットアプリLINEで製品を販売するようになったと8日、経営トップが語った。
タイでFacebookのWhatsAppや楽天のViber を上回るメッセージングアプリに公式アカウントを開設したのは、ルイ・ヴィトン、シャネル、ボルボなどのブランドだ。新型コロナウイルスによるロックダウンのあいだにユーザーとつながることが目的だった。
LINEタイ最高商務責任者(CCO)のNorasit Sitivechvichit氏はロイター通信に次のように述べた。「店舗が閉店していたため、ラグジュアリーブランドは状況に適応せざるを得ませんでした」
タイは今年初旬、感染を抑えるために全土に外出禁止令を出し、約2か月間ショッピングモールを閉鎖した。
Norasit氏は「パンデミックのあいだ、売り手は非常に活発になりました」と述べ、他の業者は化粧品や日用品を販売したと付け加えた。
LINEはメッセージの送信やライブストリーミングは売り手に任せており、今年のタイの月間アクティブユーザーは4,400万人から4,700万人に成長し、日本に続く第2のマーケットとなっている。
ボルボ・タイ法人のマーケティング兼デジタル化責任者Jean-David Harel氏によると、ボルボは5月にプラットフォームを立ち上げて顧客データを分析し、車の販売に成功した。
「私たちは彼らが現在どのモデルを所有しているか、何に興味があるのか、いつ車を買い替える予定なのかを把握しています」と同氏は述べた。
ソーシャルコマースはタイで広く人気があり、売り手はLINEやFacebookのインスタグラムなどのソーシャルメディアを通して顧客に直接販売している。
LINEは昨年、売り手が在庫やオンラインストラフロントを管理するための機能を導入し、現在5万人以上のユーザーを抱えている。
他にも売り手と顧客の関係、データ管理をサポートするツールが来年導入される予定だ。
EコマースプラットフォームJD Centralも売り手のためのサービスを立ち上げる。
LINEはまもなくフードデリバリーアプリ「Line Man Wongai」と共に「MyRestaurant」を導入し、レストランをサポートする予定だとNorast氏は述べた。
同社はビデオオンデマンド製品も扱っている。
ロイター通信