
日本の自動車メーカーであるトヨタ、日産、ホンダの3社が今週、第3四半期の業績を報告する。中国や米国の需要回復で持ち直しはしたものの、世界的なチップ不足が業績の見通しを曇らせている。
新型コロナのパンデミックによる「巣ごもり」時間の増加により電子機器の需要が急増し、これが半導体チップ不足を招いた。このため自動車メーカーは、予想以上に販売が急回復しているちょうどこの時期に、減産を余儀なくされることになった。
同じく日本メーカーのスバルとマツダも同様に減産を行っており、状況はフォルクスワーゲンといった日本以外の自動車メーカーも変わらない。
「チップ不足はどこよりも日本とヨーロッパに大きな影響を与えているようです。不足が主にNXPセミコンダクターズとインフィニオンによって引き起こされているためです」と、マッコーリー・キャピタルのアナリストであるジェームス・ホン氏は述べた。韓国のライバルメーカーについては、供給元に地元サプライヤーが多く、チップの備蓄も健全だという。
自動車メーカーに供給するチップメーカーは、生産のほとんどを台湾のTSMCといった受託製造メーカーに外注しているが、アナリストによると、こうした受託製造メーカーには、自社収益のほぼすべてを占める電子機器の顧客からの注文を優先している所が多いという。
供給不足は、米前政権の中国への技術移転抑制策が中国のチップ工場を直撃したことに加え、日本のチップ工場火災や東南アジアのコロナウイルスによるロックダウンも影響して、さらに悪化することになった。
本田技研工業と日産自動車は火曜日に、トヨタ自動車は水曜日に第3四半期決算を発表する予定である。
レフィニティブがアンケート調査を行ったアナリストらは、自動車販売台数で世界最大であるトヨタ自動車は自社2020年会計年度(3月31日に終了)の営業利益を1.5兆円(142.2億ドル)と予想するだろうとしている。トヨタが11月に予想した営業益1.3兆円とほぼ変わらない額となる。
トヨタは先月、テキサス州サンアントニオの自社工場におけるフルサイズピックアップトラック「タンドラ」の生産を減産すると発表していた。
レフィニティブのデータによると、ホンダの営業利益予想は4,636億円となる可能性が高い。同社が11月に発表した予想では、4,200億円だった。情報筋がロイターに伝えたところによると、ホンダは今月、サブコンパクト「フィット」や軽自動車「Nシリーズ」などのモデルの国内生産を引き下げる予定だという。
レフィニティブによると、日産自動車は通期の営業損失の予想を、前回の予想額3,400億円を下回る2,300億9,000万円とする可能性が高いという。
チップ不足がいつまで続くかは不明だ。
マッコーリー・キャピタルは、チップメーカーが生産を拡大していることから、自動車生産に影響が出るのは2021年半ばまでと予想している。その一方で、データ会社のIHS マークイットは、チップ不足は今年の第3四半期まで続く可能性もあると述べている。
ロイター