アラブ・ニュース
ドバイ:5日、石油輸出国機構(OPEC)および非加盟の原油産出国による原油産出量削減延長合意を受けて原油価格が2%以上急騰し、約14カ月ぶりの最高値を記録した。
今回の合意を受けた著名エネルギーアナリストらの反応を紹介する。
ジョヴァンニ・スタウノヴォ、UBS石油アナリスト:
「市場の参加者らは4月の1日あたり産出量(bpd)増加を150万バレルほどと見込んでいましたが、わずか15万バレルの増加に留まり、OPECプラスは慎重なアプローチでの合意となりました」
ビャルネ・シールドロップ、SEBチーフ・コモディティ・アナリスト:
「OPECによる4月の供給増加がないということは、仮に5月に供給が増加したとしても、4月だけでなく2021年中、さらには2022年にかけて原油在庫が少ない状態が維持されることを意味します。彼らはできるだけ長く、量より価格という戦略を最重要視していくつもりでしょう」
クライド・ラッセル、ロイター エネルギーコラムニスト:
「支配的になっているナラティブの問題点は、広範囲にフォローされ取引されているブレント原油およびウェスト・テキサス・インターミディエイト先物という紙原油市場で起きていることに焦点が絞られていることです。紙市場にも一理あり、原油の需要は高まっていきそうですが、問題はそのタイミングです。現在、そして今後数カ月の市場は需要の急増によって価格が決まっていくでしょう。しかし物理的な原油市場は別の物語を伝えています。トレーダーたちによると大量の貨物が出荷可能な状態となっており、特にアジアの最上位輸入地域への出荷分に関してはその傾向が顕著だと言われています」
ヘリマ・クロフト、RBCキャピタルマーケッツ アナリスト:
「皇太子は回復の不透明性に直面する中で慎重な姿勢を取るよう引き続き呼びかけており、タイミングを誤って増産に踏み切るよりも、慎重に行動した結果の失敗の方がマシだと主張しています」