
シンガポール:世界最大の石油消費国である米国が夏のドライブシーズンに入ったことから、燃料需要に楽観的な見通しが高まり、原油価格は火曜日に上昇してブレント原油価格が70ドルを超えた。
価格はまた、中国の5月の工場活動が今年最速の伸びを示したデータが発表されたことも受け、急速に上昇した。
8月のブレント原油先物は、グリニッジ標準時2時23分時点で1.2%増の83セント上昇で、バレル当たり70.15ドルに到達した。7月の米国ウエスト・テキサス・インター・ミディエートの原油価格は、米国の休日であった月曜の決済価格は出ておらず、金曜日の終値からほぼ2%増となる1.20ドル上昇の、バレル当たり67.61ドルとなった。
「アジア各地で新型コロナウイルス関連の規制が厳格化されたことへの懸念がある一方で、市場の関心は、米国と欧州の一部における需要の前向きな材料に集まったように見える」とINGエコノミクスのアナリストは火曜日のレポートで述べている。
「米国ではメモリアルデーの週末から夏のドライブシーズンが始まったが、ガソリン在庫はすでに減少傾向にあり、この時期としては5年ぶりの低水準に近い状態でこの時期を迎えている」
トラッキング会社のガスバディによると、この日曜日の米国のガソリン需要は、直近4回の日曜の平均値を9.6%上回り、2019年夏以降の日曜の需要で最高であったという、
しかし、より多くの供給量が市場に出回ることが予測されるため、価格の上昇は頭打ちとなった。
OPEC関係者が語ったところによると、OPECプラスと呼ばれる石油輸出国機構およびその同盟諸国は火曜日の会合で、予測される需要の回復とイランが供給量を増加させる可能性とのバランスを計りながら、加盟諸国は減産をゆるやかに緩和させていくことに同意する可能性が高いという。
OPECプラスは4月に、世界第3位の石油消費国であるインドで新型コロナ感染者が急増してはいるものの、世界の需要は上昇していくだろうとの予測から、5月から7月にかけて市場への供給を日量210万バレルに回復させていくことを決定した。
「我々は、市場がこの追加供給を吸収できると考えており、OPECプラスもこの先2ヵ月の計画通りに増産を確定すると予測している」とINGエコノミクスのアナリストは付け加えた。
ロイター