
フランク・ケーン
リヤド:サウジアラムコの新規株式公開(IPO)で、500万人以上の人々――サウジアラビア国民、居住駐在員、他の湾岸諸国の国民――が株式を購入し、史上最大の新株発行となった。
サウジ経済を石油依存から脱却させ多角化させるという最重要政策のVision 2030戦略の中、株式への巨大な需要があるため、申込数が1,500株までの人は全株を購入することができるが、より大きな数を申し込んだ人が購入できる株数は縮小することとなる。
今回の記録的な株式販売で主幹事会社を務めたサンバ・キャピタルは、506万人の個人引受者が今回の上場で株式を購入し、約500億サウジアラビア・リヤル(133億米ドル)を支出したと発表した。個人引受者のほとんどがインターネット上か、今回のIPO向けの特別なATMアレンジメント経由で購入した。
申込みはあらゆる年齢層が行ったが、最も多かったのは31歳から45歳の集団で、個人投資家の株式購入数の半分近くを占めた。46歳から64歳の約170万人もまた、株式購入の申し込みを行った。
最終販売価格は32サウジアラビア・リヤルに設定された。これは2週間前にブックビルディングのプロセスが始まった際にアラムコが設定した幅の上限にあたり、これによって新規公開株の価値は総額で256億ドル、同社の時価総額は1兆7,000億ドルとなり、世界最大となった。
購入申込み株の数が少なかった人々は、完全に申し込み通りの数を購入できる見通しだが、個人投資家間で新規公開株への需要が大きかったため、2,000株以上の申込みを行った人たちへの最終的な分け前は縮小する見通しで、前払いされた購入資金は返還される。
10万株以上の申込みを行った人は、申込数の12%のみを受け取ることになる。
サウジアラビア政府は、投資銀行のアドバイザーが「グリーンシュー」と呼ぶ制度を用い、新規公開株を15%増やして販売株式数を増やすかどうか、決めることができる。この制度は、株式の取引が始まった際に価格の安定性を確保すべく設計されたものである。
今回の新規株式公開では、サウジアラビア国民495万人が株式の購入を求め、最大の申込者となった。しかし、サウジアラビアに居住する駐在員からも相当な需要があり、10万6,000人以上が申し込みを行った。
サウジアラビアの証券取引所であるタダウルは、金曜日にTwitter上で、サウジアラムコ株は12月11日に取引が開始されると発表した。