
政府は29日、ウクライナに侵攻を続けるロシアに対する追加経済制裁として、1台当たりの輸出金額が600万円を超える乗用車など、ぜいたく品19分野の出荷を禁じると発表した。高級時計や衣類、美術品なども対象とし、プーチン政権を支える新興財閥(オリガルヒ)の生活に打撃を与えることが狙い。来月5日から始める。
同様の措置を講じる欧米に歩調を合わせ、品目や金額の下限を決めた。経済産業省によると、美術品や毛皮のコート、腕時計、1台当たり20万円を上回るグランドピアノのほか、ウイスキーをはじめとした高級酒類などが対象。ぜいたく品であっても4万円以下の物品の禁輸は見送る。
日本のロシアへの輸出額(2021年)は8623億円。このうち、自動車など輸送機器の輸出額は5割を占める。ただ、政府関係者は自動車1台当たりの平均単価は600万円を下回るとの見解を示した上で、「(日本の自動車産業に)与える影響は限定的」と説明している。
また、来月5日から金貨や金の地金などの輸出も禁じる。
対ロ制裁をめぐっては、半導体や工作機械など約300品目について、ロシアへの輸出を既に禁止している。
時事通信