
Sean Cronin
ロンドン
バグダッドにおける米軍の空爆でイランの最高軍事司令官の一人が殺害されたこと受け、金曜日に原油価格が高騰し、世界的エネルギー市場における2020年初の大ショックの引き金と なった。
金曜日朝のバグダッドにおける空爆で、イラン精鋭のコッズ部隊(Quds Force)を統率するガセム・ソレイマニ司令官が殺害されたことを受け、原油価格は当初の取引で4%以上跳ね上 がった。
ブレント原油とウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)の原油価格は、2019年9月16日に起きたサウジアラビア最大の石油精製施設への攻撃以来、最大幅の高騰を示した。金塊価格は金曜日朝1%値上がりし、一方米国先物価格はほぼ同率の値下がりを見せた。
「新年に入ってまだ三日目だというのに、今朝すでに投資家たちには馬鹿でかい地政学的先行き不安の黒雲が垂れ込めました」とOANDA のシニア通貨アナリストJeffery Halleyは言う。「最初に頭をよぎったのは、ソレイマニ司令官がイランという階級社会における超大物だということ。イランが一体どんなしっぺ返しに出るのか予測しがたいものがあります」
イラクの石油相が確認したところによると、バスラの国際的石油企業に勤めるアメリカ人の一部はイラクを離れたが、油田の方は通常通り操業されている。
「我々としては、少なくとも1ヶ月は中〜低レベルの衝突が、おそらくイラン国内で継続するものと予測しています」とユーラシアのイランアナリスト、ヘンリー・ローマ氏がロイターに語った。「イランは アラビア湾の商船航行に対する嫌がらせも再開するでしょう。航行を一時的に邪魔するために軍事 演習を始める可能性もあります」と彼は言う。
「将来的に事態が悪化する可能性は大いにあり、市場は少なくともなんらかのリスク保険を掛けると思われる」とJBCエネルギーが調査報告に書いている。