
ロンドン時事:英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は16日、「物言う株主」として知られる米ヘッジファンドのエリオット・マネジメントが、保有するソフトバンクグループ(SBG)株のほぼすべてを売却したと報じた。4~6月期に過去最大の3兆円超の赤字を計上し、株価が低迷するSBGにとって「新たな打撃」になると指摘している。
エリオットをめぐっては、2020年2月に25億ドル(現在の為替レートで約3300億円)相当のSBG株を保有していることが判明した。同紙によると、エリオットはその後もSBG株の売買を続けていたが、ハイテク企業を中心に株価が急落する中、今年に入って持ち株の大半を売却。数年に及んだSBGへの投資を事実上打ち切った。
同紙が関係者の話として伝えたところでは、エリオットは、SBGの株価が保有資産の価値を反映していないとして、自社株買いや資産売却などを通じた株価対策を孫正義会長兼社長に期待した。しかし、新興企業への巨額投資を続けたことから、「孫氏に対する信頼が失われた」という。
時事通信